2006年6月7日(水)「しんぶん赤旗」

医療改悪法案

看護師不足に拍車

小池議員 需給予想見直し要求


 日本共産党の小池晃議員は六日の参院厚生労働委員会で、医療改悪法案による医療費抑制策が看護師不足と過重労働に拍車をかけると批判するとともに、看護師の需給「見通し」の見直しを要求しました。

 厚労省の「第六次看護職員需給見通し」(昨年十二月)では、現在の看護師不足数四万一千七百人が、今後五年間で一万五千九百人にまで改善するとしています。

 小池氏は、「見通し」の算定にあたり「年休取得数を達成した数字をもとに必要な看護師数を算定した医療機関、都道府県がどれだけあるか」と質問。厚労省の松谷有希雄医政局長は「いくつの県がどのようなやり方をとったか知らない」と答弁しました。

 小池氏が「三人夜勤・月八日以内の基準でシフトを組んだ場合、新たにどれだけ看護師が必要になるか」とただしたのに対し、「試算していない」(松谷局長)など、現場の実態をふまえていないことが浮き彫りになりました。

 小池氏は、日本医労連が看護師が最低でも二百万人は必要だと要求していることを示し、「医療現場の労働者の声にもっと耳を傾けるべきだ」と強調。「見通し」全体の見直しを求めました。

 松谷局長は「現場の問題と、政策上あるべきだということのバランスをどうとるか、改めて検討したい」と答えました。

 小池氏は、医療改悪法案による医療機関への平均在院日数削減の押しつけ、診療報酬の引き下げは、医療現場、とりわけ看護師にいっそうの労働強化をもたらすとして、撤回を求めました。


チーム医療壊す成果主義

患者の命脅かす

小池氏批判

 「チームワークが何よりも大切な医療分野への成果主義賃金制度は、患者の命と安全を脅かす」――六日の参院厚労委員会で、小池晃議員は、NTT東日本関東病院で導入されている看護師への成果主義賃金の問題をとりあげました。

 同病院では、個人の目標を「チャレンジシート」に記入し、「達成度」をSA、A、B、C、Dの五段階のランクで看護師長が評価しています。賃金の50%が「成果部分」で、一時金にも影響。年数十万円の賃金格差が生まれています。

 小池氏は「患者の悩みを聞くことなどは、数字にならないので評価されない」「バラバラに働くようになり、チーム医療がしにくくなっている」との現場の声を紹介しました。

 川崎二郎厚労相は「患者の安心・安全のため、医療専門職がチームを組むことが重要だ。常に看護職員が満足感をもって職務に従事できる環境を整えることが大事だ」と答弁。小池氏は、「いまの答弁にてらせば、成果主義賃金の導入は認めるべきではない」とのべました。

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