2006年5月28日(日)「しんぶん赤旗」

「宗教者の証」九条擁護

京都で集い・平和アピール


 憲法九条擁護を呼びかけている「宗教者九条の和」は二十七日、京都市で「全国協働の集い」を開き、「宗教者の証として、日本の宝、世界の宝である憲法九条の尊さを人々と共に心を合わせて守り広めてまいる」との平和アピールを発表しました。

集会後に平和巡礼

 集いは講演・シンポジウムと平和巡礼で構成。世話役の村中祐生大正大学元学長(天台宗)は、「宗教者は国の行方に関心を持ち、語ること、説くことができる。その思いを結びあわせてよりいっそうの『協働』を」と開会あいさつ。世話役で本山修験宗の宮城泰年宗務総長が「改憲の手続き法案である国民投票法案を廃案にするため、九条の和がとりくんでいる反対署名を急速に広めたい」と呼びかけました。

 中京区のカトリック河原町教会で開いたシンポジウムには二百人が出席しました。信楽峻麿龍谷大学元学長(浄土真宗本願寺派)が基調講演し、金光教の渡辺順一羽曳野教会副教会長、松浦悟郎カトリック大阪教区補佐司教、山本俊正日本キリスト教協議会総幹事が発題。「宗教者として過去の歴史に正面から向きあわなければならない」(信楽氏)、「(改憲を)くいとめられるのは主権者である国民だという自覚を」(松浦氏)とのべました。

 会場から京都の女性が「戦争する国には戦争する人間が必要。子どもたちをその方向に導き、人間としての心をふみにじる教育基本法問題に注目を」と発言。大阪の僧侶は一人で千人余の署名を集めた経験を報告しました。

 集いのあと参加者は会場から平和巡礼に出発。小雨がぱらつくなか、「九条を世界の宝に」「不殺生」などと書いたのぼり旗をかかげ市内を歩きました。


平和のために協働を 宗教者語り合う

 「異なる信条にたつ諸宗教が人類の平和のために協働することに意義がある」と村中祐生大正大学元学長。二十七日、宗教者九条の和が京都市で開いたシンポジウムでは、仏教、キリスト教、金光教、天理教などの宗教者や市民がともに「九条」を語りあいました。

 「自民党の憲法草案は『改正』の域を超え、現憲法を無視し国民主権を排除するもの」と村中氏。改憲手続き法案(国民投票法案)や教育基本法、靖国問題などにもふれ「これらは別々の問題ではない」と指摘しました。

 信楽峻麿龍谷大学元学長は「殺すな、殺させるな」という法句経や、「兵戈無用(軍隊も武器ももちいてはならない)」という親鸞の教えをひき、戦争の非人間性、非論理性を強調しました。

 宗教教団の戦争責任について、「国民に耐乏生活を説き、戦死することの意味づけまでして国家の論理に寄与した」というのは金光教の渡辺順一氏。「過去の戦争責任を問い、現在をどんな覚悟で生きているかが問われている」とのべました。

 九条は単なる理想・時代遅れ、などの主張があることに、牧師の山本俊正氏は「宗教者はその理想をこそ政府に迫らねばならない」と語りました。


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