2006年4月29日(土)「しんぶん赤旗」

東京都が五輪立候補

共産党 「巨大開発と一体」と反対


 東京都は二十八日、日本オリンピック委員会(JOC)に対し、二〇一六年五輪の開催都市への「立候補意思表明書」を提出しました。横山洋吉副知事が渋谷区の岸記念体育会館を訪れ、JOCの林務副会長に表明書を手渡しました。二十四日には福岡市が立候補意思表明書を提出しています。

 都は六月三十日までに詳細な開催概要計画書を提出する予定で、JOCは八月三十日に国内の立候補都市を決定します。

 石原慎太郎都知事は同日の定例記者会見で、メーンスタジアムを中央区晴海、選手村を江東区有明北、メディアセンターを中央区築地市場跡地に建設する意向を表明しました。記者団から「福岡市は開催費用などを公表したが、都の対応は」と問われ、「費用はこれから積算していくつもりだ」とのべるにとどまりました。

 石原知事は昨年九月の正式表明以来、五輪招致をてこに幹線道路網など広域交通基盤の整備や羽田空港の再拡張・国際化、米軍横田基地の軍民共用化を進める姿勢を繰り返し表明。二〇〇六年度予算では開催準備基金として一千億円を積み立て、二月の都議会本会議では、首都圏三環状道路について「五輪をめざして集中的に整備を進める」と表明しています。

 一方、開催時の施設や開発の規模、基金積み立て目標などについて、日本共産党が都議会で公表を要求したのに対し、都側は「資料は公表できない」「開催計画、経費は示せる段階でない」として公表を拒み続けています。

 日本共産党は三月の都議会本会議で、松村友昭都議が「五輪自体に反対ではないが、巨大開発の口実とされたり、環境破壊につながる計画とセットとされるなら、招致に賛成できない」と指摘。「知事の考える五輪は、巨大開発と一体で、都財政への影響でも環境負荷の点でも、(知事の言う)『コンパクト』にほど遠いと言わざるをえない」と批判しています。

 また、「五輪開催という大事業の準備を、都民の意見も聞かず秘密裏に進めていることも重大だ」とし、関係資料の公表を求めています。


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