2006年4月20日(木)「しんぶん赤旗」

主張

まちづくり3法見直し

大型店規制へさらに前進を


 中心市街地の衰退に対応するとして「まちづくり三法」見直し法案が国会で審議されています。大型店の郊外立地の規制を強化する都市計画法改正案は、世論の反映です。全会一致で衆院を通過し、参院に送付されています。

競争で商店街が衰退

 「まちづくり三法」は、大店法を廃止し、中小小売業者との商業調整を廃止したかわりとして、一九九八年に成立しました。政府は、三法によるまちづくりを次のように説明してきました。

 「都市計画法の土地利用規制により大型店の出店の可否を市町村が判断する」「立地場所が決定した後の大型店については大店立地法で交通渋滞や騒音など周辺環境への影響について配慮を求める」「中心市街地活性化法により、市街地の整備改善、商業等の活性化を一体的に推進する」

 現実は、郊外に“超大型”の商業施設が次々とつくられる一方で、中心市街地と身近な商店街がますます寂れていきました。

 根本には、大店法廃止・規制緩和があります。中小小売業者との商業調整を禁止するという、“競争優先”により、大型店同士の競争も激化しました。もうからなければ地域住民の利便をまったく考慮せずに、撤退するという身勝手が横行しました。個別の自治体で、商店街の活性化のために努力しても、周辺の自治体で大型集客施設がつくられれば、その影響で、需給バランスが崩れてしまいます。

 商店街の活性化のためには、大型店の身勝手な出店・撤退を許さないルールづくりが欠かせません。

 その点で、「まちづくり三法」の見直しにあたり、「商業調整の禁止」条項をもっている大店立地法に手をつけていないのは、重大な欠落です。この条項(一三条)は自治体が大型店を規制する条例をつくるうえで妨げとなっています。

 日本共産党は、審議のなかで大店立地法一三条の廃止を求めました。

 都市計画法改正による郊外立地の規制強化は一歩前進です。しかし、市街地活性化法「改正」案は、中心市街地の大型店出店を促進するものです。

 まちの顔である中心市街地ににぎわいを取り戻すことは大切です。しかし、中心市街地活性化法(中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律)の「改正」案は、名称からも目的からも「商業の活性化」を取り除き、これまでの商店街の努力に背を向けています。支援の方向を「都市機能の集約」をめざす都市再生型の開発促進に転換しています。大型店の出店を促進するために、生活環境の保持のための住民・自治体の意見表明・勧告の仕組みまでなくしています。

 大店立地法で、自治体独自の大型店規制を禁止したうえ、わずかに残された住民・自治体の意見表明の機会を奪う―。大型店出店にたいする規制をなくすことであり、許されません。

見直しに米国の圧力

 規制緩和の背景には日米財界の強い要求があります。

 昨年十二月の米国政府の年次改革要望書は、大店法廃止を「歓迎」した上で「まちづくり三法」見直しにたいし「新たな規制もしくは他の措置をもたらす結果にならないこと」を日本政府に要望しています。

 商店街のにぎわいを取り戻すとりくみも米国政府の圧力に抗してのたたかいです。


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