2006年4月12日(水)「しんぶん赤旗」

天下り多い企業

受注も増

防衛庁


 防衛庁からの天下りを受け入れている企業が、その人数に応じて、同庁発注事業の受注高が増えている実態がわかりました。同庁提出資料にもとづき、日本共産党の吉井英勝衆院議員が調べたものです。


吉井議員調べで判明

表

 資料は、防衛庁OBが役員に就任している公益法人、独立行政法人と課長・企画官相当職以上で退職した幹部OBを受け入れた民間企業などのうち、二〇〇四年度に同庁が一千万円以上支払った法人を集計したもの。

 これによると、天下りを受け入れた法人は百二十にのぼり、天下り人数の合計は七百十八人(〇五年十月一日現在)です。

 このうち、支払総額が百億円を超すのは十六法人で、天下り人数は計三百十二人でした。二千七百十億円の受注額トップを誇る三菱重工業は三十九人、千四百二十九億円を受注した川崎重工業は二十七人、千三十六億円の三菱電機が四十人など。一法人平均、十九・五人です。

 支払総額が十億円以上、百億円未満の法人は、沖電気工業(七十六億円、六人)、住友重機械工業(二十三億円、十人)など四十五法人で、計二百八人です。一法人平均、四・六二人。このなかには、防衛施設庁の官製談合事件で、防衛施設庁職員の天下り“待機場所”となっていた財団法人・防衛施設技術協会(十二億円、四人)も。

 一億円以上、十億円未満の法人は、第一生命保険相互会社(一億二千万円、十二人)、横河電機(三億三千万円、九人)など三十六法人で、計百三十五人。一法人平均、三・七五人。

 さらに一千万円以上、一億円未満の法人は、三井造船(二千七百万円、八人)、綜合警備保障(千六百万円、八人)など二十三法人で、計六十三人。一法人平均、二・七四人。

 天下り受け入れ数が多いほど、受注金額も増大するという傾向が浮かび上がってきます。


癒着の構造にメスを

 道路公団の鋼鉄製橋梁(きょうりょう)談合では、天下り受け入れ企業の落札率(予定価格に対する落札額の割合)は99%台で、ほとんど100%に近くなっています。天下りは、談合などで企業の利益を図る温床となっています。

 今回、防衛庁OBの天下りを十三人受け入れていたことがわかった日本無線(受注額三十一億円)では、無線やその備品を納入する際、製造に要した労働時間や材料費を過大に報告、単価をつりあげていたとして、九年間の過払い分約百七十億円に違約金などを加え、防衛庁から約二百三十一億円を請求され、返還しました。

 いま、国会で審議が行われている「行政改革推進」法案には、こうした無駄遣いや不正を許すことになる天下り規制の条項はいっさい、ありません。こうした癒着の構造にメスを入れることこそ求められています。


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