2006年4月5日(水)「しんぶん赤旗」

進む非核宣言自治体

合併で失効、新たに運動

鳥取で全市町村達成


 人類の願いである核兵器廃絶などを求め、自治体宣言や議会決議をすすめてきた「非核宣言自治体」運動があらためて各地で繰り広げられています。鳥取県では三月末までに一市七町が宣言をし、再び県内全自治体が非核宣言をしました。これで全自治体が非核宣言をしているのは、大阪府、神奈川県の三県になりました。


 全国で自治体の合併がすすめられ、一九九九年三月末には三千二百三十二あった自治体は、一日時点で千八百二十になっています。対等・平等の合併の際には、以前の宣言は失効します。このため、ピーク時の二〇〇三年には非核宣言をした自治体は81%(二千六百四十五)に達していたのが、67%(千二百六十七)になっています。(日本非核宣言自治体協議会の調べ)

 非核自治体宣言運動は、核兵器をなくし、非核三原則の実施と恒久平和を求める住民の願いをくみ、自治体によってさまざまなとりくみをすすめてきました。この運動は、核兵器廃絶を求める世界の流れと合流するものでした。

被爆60年機に

 被爆六十年を機に、非核の政府を求める会や原水爆禁止日本協議会はじめ、各地の平和、市民団体が非核自治体宣言の現状を重視し、この打開を求めて首長、議長、政党に非核宣言をするようあらためて働きかけています。

 鳥取県の場合、八七年に全自治体が宣言しました。自治体合併によって三十九あった自治体は十九に半減しました。編入合併の鳥取、倉吉の両市を除き、一市七町で新たな宣言が求められていました。

 同県では、毎年約三十人の被爆者が亡くなり、県内在住の被爆者は六百人をきりました。鳥取市では、非核自治体宣言をもとに宣言推進実行委員会をつくり、被爆者を招き、講演会などを開いています。

 鳥取県原水協の太田忠誠事務局長は「いま、自治体が非核宣言をして、鳥取市のような運動をすすめることが重要だ」といいます。

長崎は90%に

 国民平和大行進の際には必ず全自治体を訪問し、反核平和行政を要請。昨年の国連総会にむけた「いま、核兵器の廃絶を」署名には、当時三十九あった市町村のうち二十一市町村長が賛同しました。こうした運動とあわせ、首長や議長にこれまであった宣言全文を送り、粘り強く要請してきました。

 長崎県も九九年三月十五日、全自治体(県と八市七十町一村)が非核平和宣言をしました。自治体合併で三月一日の自治体数は三十三(県と十二市二十町)になり、多くの自治体宣言が失効しました。非核の政府を求める長崎県民の会などが「全自治体で宣言を」と運動をすすめてきました。新たに誕生した対馬市、壱岐市、五島市、新上五島町、諫早市、西海市が宣言し、90%に回復しています。

 静岡県でも非核の政府・静岡を求める県民の会が働きかけ、静岡、伊豆、伊豆の国の三市が新たに非核宣言をしました。


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