2006年4月4日(火)「しんぶん赤旗」

公共サービスが後退

「行革」法案 公務員の配置基準下げ

福祉・教育・安全を標的


 小泉内閣が今国会の「最重要法案」と位置付ける「行政改革推進」法案の本格的審議が、三日の衆院行政改革特別委員会で始まりました。日本共産党の塩川鉄也議員は、法案が地方公務員のうち国が配置基準を定めている教育、福祉、消防など国民生活に密着した分野の基準を引き下げて純減すると打ち出していることを指摘し、「身近なサービスを後退させることになる」と批判しました。


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(写真)パネルを掲げ、質問する塩川鉄也議員=3日、衆院行革特別委

衆院委 塩川議員が質問

 「行革推進」法案は、五年間で国家公務員を5%以上、地方公務員を4・6%以上、それぞれ純減することを目標としています。地方公務員の総数は現在約三百万人で、そのうち国が基準を定めている分野の公務員数は約二百万人です。教育、警察、消防、福祉などが対象分野です。「まさに国民生活に密着した分野」(塩川氏)です。

 その分野の一つである「消防」では、消防士の充足率が基準の75・5%(二〇〇三年五月現在)となっています。「国の基準すら達成されていないのが現実」(塩川氏)なのに、それさえ壊そうとしている実態が浮きぼりにされました。

 充実が求められている「教育」分野では、国の教職員配置基準は四十人以下学級。政府は昨年八月に、第八次教職員定数改善計画を立案して、小学一年生に三十五人学級を可能とする定数改善を掲げていました。ところが、公務員削減の論議が進んだことで、計画は案のままでお蔵入りになりました。塩川氏は「計画があったのに取り下げている。実害が出ている」と指摘しました。

 「国の配置基準は公共サービスの最低限の基準を設けたものだ。それを壊すのが今回の法案だ」との批判に、小泉純一郎首相は国基準引き下げについて「公務員でなければいけないのかどうかの問題もある」などと答弁。塩川氏は「保育士の配置などは官も民も基準は同じ。基準引き下げは民間のサービスも後退させる」と批判しました。

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