2006年3月30日(木)「しんぶん赤旗」
英外交白書、米戦略と距離
「多国間協力を重視」
【ロンドン=岡崎衆史】ストロー英外相は二十八日、今後十年の外交政策の重点を示した外交白書を発表し、グローバル化による相互依存の進展やテロの脅威が増す中で、世界の問題に対処するため、多国間協調を重視することを打ち出しました。十六日に公表された米政府の国家安全保障戦略とは異なる立場を打ち出しています。
「変動する世界のための積極外交」と名づけられた白書は、グローバル化が急速に進む世界について「どんな国も一国だけでは自らの目的を追求できなくなる」として、「英国もパートナーや同盟国、国際機関のネットワークを通じて活動することが必要になる」と指摘しました。
さらに、「われわれは国際法に基づく多国間協力の効果的なシステムを支援し続ける」と述べ、国連を「国際システムの土台」として重視することを表明。また、その他の多国間の枠組みとして欧州連合(EU)を、二国間関係としては対米関係を最重要と位置づけました。
白書はその上で、外交上の優先課題として、強固な国際的枠組みを通じて紛争を予防し解決すること、効果的で競争力あるEUの建設、持続的開発、貧困削減、テロと大量破壊兵器から世界を守ることなどを列挙。大量破壊兵器の問題では、イランと北朝鮮による大量破壊兵器の取得を防ぐことを重視しました。
ストロー外相は、「他の国とともに行動することで影響力や成功のチャンスを拡大することができる」と述べ、多国間協力は英国の利益の拡大につながるとの見方を示しました。

