2006年2月27日(月)「しんぶん赤旗」

鹿屋に米軍いらない

8千人集う 農民・業者・町内会親子で夫婦で…


 「鹿屋(かのや)市でこんなに人が集まった集会は初めてだ」。二十六日、鹿児島県の海上自衛隊鹿屋基地に隣接する陸上競技場に八千二百人(主催者発表)の人々が続々と集まりました。地元の農協、青年会議所、町内会などでつくる実行委員会が主催した在日米軍空中給油機部隊の移転に反対する市民集会です。プラカードを持った市民、子どもを背負った若いお母さん、制服姿の高校生、畜産農家の老夫婦など、あらゆる年齢がそろって「米軍機の移駐反対」の声をあげました。


地図

 子どもたちのメッセージとして壇上から訴えた鹿屋女子高校三年の土橋愛さん。沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故のニュースが忘れられません。「鹿屋基地の周辺には、保育園、幼稚園、小中高校があり、膨大な燃料を積んだ米軍の給油機が落ちたらどれだけの犠牲がでるか。基地の移設には絶対反対です」と力をこめて訴えました。

 鹿児島きもつき農業協同組合組合長の下小野田寛実行委員長が「突然、ふってわいたように米軍の移駐が発表された」と住民無視の日米合意に怒りをぶつけ、「市民が一致して力をあわせ移駐を撤回させよう」と決意を表明しました。

 山下栄鹿屋市長が「街づくりの障害になる米軍の移駐に反対を貫く」と訴えると大きな拍手が起きました。(別項)

 畜産業の代表者として上窪直巳さんは、「騒音を立てて飛来する航空機に牛やブタがおびえる。家畜によくない騒音は人間にもよくない。地域のみなさんと力をあわせて反対しつづける」とあいさつしました。

 集会では、「米軍再編合意を見直し基地周辺自治体や住民の立場に立ち、基地の真の整理縮小のため改めて米国政府と交渉すること」を小泉首相に求める決議を採択しました。


騒音被害は限界です

山下鹿屋市長訴え

 県内各地からご参加のみなさん。一貫して反対の立場を貫いてきた者として心強く思います。

 空中給油機の問題は昨年四月、突如として報道されました。市民生活を守る立場に立つものとしていち早く反対し、撤回を求める声明をだしました。鹿屋の市議会も、地域の市長・議長が集まる「大隅総合開発期成会」も反対決議をあげました。

 どうして反対か。鹿屋基地を見てください。約六万人が住む市街地のど真ん中にある基地です。学校、病院、保育園、幼稚園が基地の周辺です。背後は日本有数の畜産地帯。和牛、養豚、養鶏など南の食料基地です。

 今でも鹿屋基地の騒音被害は限界です。米軍がきたら騒音、治安、環境がおびやかされます。

 この空中給油機十二機だけとは思わないでください。表面に出ていませんが、自衛隊のすべての給油機、米軍の輸送機、P3Cも基地を活用することも入っています。宮崎県の新田原、福岡の築城にはファントムの訓練機が入るといわれています。将来を危ぐします。

 国は地域の理解なくすすめないといってきましたが、地元に何の説明もなく頭越しにやってきたではありませんか。

 米軍、軍属などが仮に事件、事故を起こしても、日本の警察は逮捕・拘束できるでしょうか。難しいと思います。米軍が移駐してきたら、無法地帯になります。

 二十年、三十年、五十年先を見て対応していかなければいけません。街づくりに米軍はいらない。米軍の移駐に反対する市民運動を大きなうねりにして日米両政府に訴えていきましょう。


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