2006年2月9日(木)「しんぶん赤旗」

地元“説得材料”を検討

米軍再編「最終報告」へ詰め

きょうから審議官級協議


 在日米軍再編に関する日米の外交・軍事担当者による審議官級協議が九、十の両日、都内で開かれます。審議官級協議は、昨年十月末の日米合意(いわゆる「中間報告」)後、四回目。三月末を目標にしている「最終報告」取りまとめに向け、さらに詰めの協議を行います。

■新安保宣言も

 防衛庁の説明によると、一月二十四―二十六日にハワイで行った前回の審議官級協議では、米軍と自衛隊との役割・任務分担とともに、在日米軍基地・部隊の再編計画の詳細について個別に協議しました。日本側が「最終報告」に合わせて発表することを提案している、新たな日米安保共同宣言についても非公式に意見を交換したとしています。

 協議では、米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)に代えてキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)に建設する計画の新基地(沿岸案)について、米軍機の飛行ルートで合意しました。これを受け防衛施設庁は、沖縄県など関係自治体に(1)ヘリコプターが発着に使う場周経路は海上に設定(2)固定翼機の進入経路の直下にある住宅は十戸に限定(3)周辺住宅への騒音も防音措置の必要のない程度にとどまる―と説明しています。

 日米両政府は新基地の建設に環境影響評価(アセスメント)で三年、工期に五年の計八年をかけ、二〇一四年度中に完成させる方針です。普天間基地でのヘリの離着陸回数を減らすため、部分的に完成した段階で順次、ヘリの移転を始める方向で調整に入っているともされます。

 両政府はまた、米陸軍キャンプ座間(神奈川県相模原、座間両市)への新たな陸軍司令部(UEX)の創設などに合わせ、同キャンプの一部を返還する方向で検討しています。米陸軍相模総合補給廠(しょう)(相模原市)への陸上自衛隊部隊の配備も「将来的な課題」として先送りし、同補給廠の一部を返還することで大筋合意したと報じられています。

■自治体は拒否

 これらの措置はいずれも、関係自治体に計画を受け入れさせるための説得材料、“アメ”にするのが狙いです。しかし、関係自治体が一斉に反対の声を上げている、昨年十月末の日米合意の内容を変えるものでは全くありません。

 防衛施設庁から説明を受けた沖縄県は「(沿岸案は)住宅地域から七百メートルしか離れていない」(牧野浩隆副知事)と拒否。名護市は「(政府との)話し合いにも応じることはできない」(島袋吉和市長)としています。

 相模原市は「(防衛施設庁からの)説明はないし、その予定も聞いていない」(渉外課)と言います。

 防衛施設庁の談合事件の影響の広がり、米海兵隊岩国基地(山口県)への空母艦載機移転計画をめぐる岩国市の住民投票の決定などが加わり、政府内では「(三月末の最終報告取りまとめは)作業のペースとしてはかなり厳しい」(外務省筋)との声が上がっています。一方、「(最終報告は)国と国の間で政策に関する考え方を示すもの。地元はその後、引き続いて説得していく」(防衛庁首脳)とし、地元の同意のないまま強行する姿勢も見せています。


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