2006年1月30日(月)「しんぶん赤旗」

主張

商店街・まちづくり

大型店規制のルールへ一歩を


 商店街や大型店のあり方について、見直しの声が広がっています。大型店の無秩序な出退店が、商店街の衰退、中心市街地の空洞化を招いているからです。

 自治体独自に、大型店出店を規制する「まちづくり条例」をつくり、地元商店街のにぎわいをとりもどすとりくみがおこなわれています。内閣府の世論調査でも、六割の人が、大型店への規制が「必要」とこたえています。

■今国会に見直し案提出

 こうした世論と運動が、大型店の規制緩和を進めてきた政府の姿勢に変化をもたらしています。

 小泉首相は、施政方針演説で、「中心市街地の空洞化に歯止めをかけ、高齢者でも暮らしやすい、にぎわいのある街を再構築してまいります」とのべました。小泉首相が施政方針演説で、中心市街地の空洞化問題にふれたのは、今回がはじめてです。

 二階俊博経済産業相も、昨年末の経済財政諮問会議で「中心市街地の空洞化は目をおおうばかり。まちづくりという観点から大きな政治課題」とのべています。

 政府は、今国会に都市計画法の改定案を提出し、同法にもとづく土地の利用規制を厳しくして、大型店の郊外出店の抑制をはかる方向で検討を進めています。

 大型店の出退店にルールが必要だという流れが大きくなっています。

 ところが、日本経団連の奥田碩会長など経済財政諮問会議の四人の民間議員は、「大型店の郊外立地を規制する都市計画法の改正が…民間に対する規制を強化し、構造改革に逆行する」と、大型店規制に反対しているのです。

 商店街の活性化とまちづくりは、規制緩和万能の「構造改革」に抗してのとりくみでもあります。

 中心市街地の空洞化は、一九九八年に、大型店の出店を調整する大店法の廃止で加速しました。政府は、まちづくり三法(中心市街地活性化法、大店立地法、都市計画法)によって、中心市街地の活性化をはかるとしましたが、郊外への大型店の出店ラッシュをとめられず、商店街は疲弊しました。

 日本共産党は、大店法廃止に反対するとともに、「商店街の停滞・衰退の打開には大型店の出店規制を強化することが必要」とルールの確立を主張してきました。

 二〇〇四年五月には、政策提言「大型店の身勝手をゆるさず、地域の商店街・中小商店の値打ちがいきる『まちづくり』ルールの確立を」を発表。各地で対話を重ねました。

 二カ月後の七月には、中小企業四団体(日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合会)が、まちづくり三法の抜本的見直しの「要望」をまとめました。「市場主義の行き過ぎにより」、コミュニティーの衰退、伝統・文化の継承の困難、治安や青少年問題の深刻化、高齢者の生活の不便など社会問題が増大していることを告発しています。

■市場万能への批判

 大型店規制をめぐっても、市場万能、規制緩和万能への批判が、ふきだしています。

 欧州はもとより米国でも九〇年代に入り、大型店の郊外乱開発と都市の空洞化が大問題になり、「規制緩和」から大型店規制へと大きく転換しています。

 日本でも大型店規制とまちづくりの共同をすすめ、ルールの確立に向け、さらに世論と運動を広げていきましょう。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp