2006年1月18日(水)「しんぶん赤旗」

違法盗聴やめなさい

米人権団体が広告

40年前キング牧師の被害紹介


 【ワシントン=山崎伸治】米公民権運動活動家マーティン・ルーサー・キング牧師生誕記念日の十六日、人権擁護団体「全米市民的自由連合」(ACLU)は米紙ワシントン・ポストに、国家安全保障局(NSA)による違法盗聴の中止を求める全面広告を掲載しました。

 広告は、キング牧師の写真を配し「四十年前、罪のない米国民に対する盗聴は政府の権力乱用でした」と指摘。またブッシュ大統領の顔写真の横に「いまもそうです」と訴えています。

 広告は「キング牧師が米国民の権利を擁護するためたたかっていたとき、政府は国家安全保障の名で同氏に対する盗聴を行い権利を侵害しました。大統領の『敵対者』とみなされた反対派に対して捜査と盗聴を行ったという残念な歴史の結果として、たとえ国家安全保障上のためであっても、米国民に対する盗聴には裁判所の許可を求めることを大統領に義務付けた法律ができました」と盗聴が違法となった歴史を紹介しています。

 そのうえで「ブッシュ大統領はこの法律に縛られないと考えています。それはキング牧師が夢見た米国ではありません」と批判しています。

 キング牧師は一九五五年、アラバマ州モンゴメリーのバス乗車拒否運動を指導して一躍有名となり、五七年、南部キリスト教指導者会議を結成、公民権運動をリードしました。六一年、米連邦捜査局(FBI)が牧師と同会議に対する調査に乗り出し、六三年から六八年まで、自宅や事務所、宿泊先のホテルの電話を盗聴していました。

 ACLUは昨年十二月末以来、たびたび意見広告を米主要紙に掲載。NSAの違法盗聴問題について、独立の捜査機関を設けるよう訴えています。


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