2006年1月9日(月)「しんぶん赤旗」
主張
成人の日
若者が希望を持てる社会へ
新成人のみなさん、成人の日おめでとうございます。今年は全国で百四十三万人が、成人の日を迎えます。日本共産党は、みなさんが、それぞれの夢の実現へ前向きに挑戦することを応援します。
■声をあげる若い世代
夢を大切に、人間らしく生きたい――若いみなさんに共通の願いでしょう。でも現実は、将来に「希望がもてない」という思いを抱いている方も、多いのではないでしょうか。その根底には、仕事や就職をめぐる不安や悩みがあることと思います。
青年の雇用をめぐる実態は、全世代平均の二倍にのぼる完全失業率、二人に一人が非正規雇用という不安定雇用の増大、長時間労働のまん延、一方的解雇をはじめとする無法行為の横行など深刻です。若い世代のなかで貧困と社会的格差が新たに広がっているとも、指摘されています。学生も、世界一高い学費に苦しめられたうえ、正社員として就職する道は狭まり、就職不安を強めています。
政府は、安定した雇用と人間らしく働ける労働条件の確保という、政治の当然の責任を果たすべきです。ところが小泉内閣は、「構造改革」の名のもとに、財界・大企業のいいなりで、労働法制の「規制緩和」をすすめ、非正社員への置きかえをおこないやすくする政策をとり、違法・脱法行為さえ見逃しています。「やる気のない面も能力のない面もある」―国会では、仕事につけないのは若者の意欲や能力のせいであるかのように言い放ち、「自己責任」の風潮をあおっています。
これにたいして、深刻な青年雇用をめぐる状態を、若者みずからの力で打開しようとする運動が、いま力強く発展していることは、大きな希望です。
「私たちはモノではない。人間らしく働きたい」「悪いのは君じゃない。政治の責任だ。いっしょに政治を変えよう」。青年が、みずから組合を結成し、泣き寝入りせず、職場の無法とたたかう動きが全国各地でおこっています。全国青年大集会や、「青年一揆」の旗を掲げた京都の集会の成功など、たがいに連帯も広げています。不当解雇の撤回や残業代の支払い、有給休暇の実現など、多くの成果を交流し、「勇気をもらった。自分もいっしょに前に進みたい」と確信をつちかっています。
多くの若者が、これらの運動に参加することをつうじて、人間としての権利をたたかいとることを学び、仲間と心を通いあわせています。
青年雇用問題は、若者にとってはもちろん、日本社会全体にとっても解決しなければならない大問題です。若者の経済的な自立を困難にする状況の広がりは、少子化問題をはじめ、社会のあらゆる分野に影響を及ぼします。仕事や技術を受け継ぎ発展させるうえでも、大きなマイナスとなります。これからの日本をになう若者を使い捨てにするような社会では、明るい未来は開けません。
■社会的連帯を強めて
日本共産党は、十一日から第二十四回大会を開きます。大会では、異常な大企業中心主義などを特質とする自民党政治を大もとから転換する民主的改革の方策と、その実現へ国民とともにたたかう方針を明らかにします。「構造改革」の名による雇用やくらしを破壊する攻撃にたいし、連帯をつよめ、社会的反撃のたたかいを発展させることをめざします。
未来は若者のものです。若者が希望をもって働ける社会の実現へ、日本共産党は若いみなさんとともに力をつくします。