2006年1月1日(日)「しんぶん赤旗」
米司法省
国家安全保障局の違法盗聴
情報漏えいで捜査
【ワシントン=山崎伸治】米紙ニューヨーク・タイムズが国家安全保障局(NSA)による違法盗聴をブッシュ大統領が許可していたと報じたことについて、同紙に情報を漏えいした人物を特定するため、米司法省が捜査に乗り出したことが三十日、分かりました。三十一日付の米紙ワシントン・ポスト(電子版)などが当局者の話として伝えました。
ブッシュ政権は大統領の違法行為を「正当化」する一方、それを告発した情報提供者とマスコミを追及する構えです。
違法盗聴をめぐっては、ニューヨーク・タイムズが十二月十六日付で報道。ブッシュ氏は十七日のラジオ演説でその事実を認めた上で、「(政府の)許可なしに公表したことで、わが国の安全保障を台無しにし、国民を危険にさらしている」と述べ、その後も同紙を非難していました。
司法省の捜査について、米市民的自由連盟(ACLU)のアンソニー・ロメロ執行委員はワシントン・ポストに対し、「ゴンザレス司法長官は自分の友人、上司(であるブッシュ大統領)を批判する人々を取り締まろうとしている」と批判。ACLUは二十九日付のニューヨーク・タイムズに全面広告を掲載し、特別検察官を任命して違法盗聴を捜査するよう要求しています。