2005年12月23日(金)「しんぶん赤旗」

違法盗聴に“抗議”辞表

米紙報道 米判事が提出


 【ワシントン=山崎伸治】米政府が国内で外国スパイに対する盗聴を行うことに許可を与える権限を有する「対外情報監視裁判所」の判事が、ロバーツ最高裁長官に辞表を提出していたことが二十一日わかりました。

 同日付の米紙ワシントン・ポストが報じたもので、ブッシュ大統領が国家安全保障局(NSA)に対し、法的手続きなしに米国民を盗聴することを許可していた問題に抗議したものと指摘されています。

 辞任したのはジェームズ・ロバートソン判事。同裁判所は一九七八年の「対外情報監視法」にもとづいて設置され、十一人の判事が政府からの盗聴要求を受け、許可を与えます。

 同判事自身は辞任の理由を明らかにしていませんが、ワシントン・ポスト紙は「判事の決断について詳しい二人の同僚」の話として、同判事が大統領の決定は「法的に問題があり、対外情報監視裁判所の任務を損ないかねない」と懸念を表明していたと報じています。

 ホワイトハウスのマクレラン報道官は二十一日の記者会見で、同判事の辞任について問われ、「判事が辞任した理由は分からない」とコメントを避けました。


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