2005年12月15日(木)「しんぶん赤旗」

ユニセフ06年版子供白書

路上生活・人身売買される子

特別の支援を訴え


 【ロンドン=岡崎衆史】国連児童基金(ユニセフ)は十四日、二〇〇六年版子供白書を発表し、貧困やエイズ、武力紛争などによって必要な生活手段や教育、医療を得られない子どもたちの危機的状況に警告。とりわけ、数千万人のストリートチルドレンなど社会から無視され犯罪にさえ巻き込まれる子どもたちを「姿の見えない子どもたち」として、特別の支援を行うよう訴えました。

 白書は、二〇一五年までに一日一ドル未満で生活する人口を半減することなどを定めた国連ミレニアム開発目標が実現すれば、五歳未満で死亡する子どもの数を未達成の場合より三百八十万人減らすことができると述べ、取り組みを急ぐよう求めました。

 また、開発目標の達成だけでは子どもの危機的問題を解決するには十分ではないと警告。五歳未満の人口は世界の19%であるのに、最も貧しい後発開発途上国(LDC)では五歳未満で死亡する子どもが四百三十万人で、全体の40%を超えることを指摘しました。

 エイズで親を失った子ども約千五百万人の八割超に当たる千二百十万人がサハラ以南のアフリカにいることや、一九九〇年以降武力紛争で死亡した民間人のうち約八割が子どもや女性だったことも列挙しました。そして、貧困、エイズ、武力紛争、ぜい弱な政治体制に対処し、子どもの状況を改善するよう求めました。

 白書はとりわけ、貧困や紛争などは、最悪の場合、子どもたちを売春、犯罪、性的な虐待、過酷な搾取労働などに巻き込み、家族や社会、公共機関との関係を失わせ、「姿の見えない存在」にしていると指摘。例として、出生登録さえされない無権利状態の子どもが〇三年時点で推定四千八百万人に上ること、途上国九十三カ国の十八歳未満の孤児が一億四千三百万人と推定されること(〇三年)を挙げました。医療や教育はおろか生活の糧も保障されないストリートチルドレンは数千万人に上り、人身売買される子どもが毎年約百二十万人いると述べました。

 白書は、子どもが置かれた状況を改善する上で、「各国政府が第一の責務をもつ」ことを呼びかけ、政府が子どもの実態調査、改善のための立法、財政措置、支援プログラムを進める必要性を提起。その上で国際機構や市民社会と協力し、子ども自身のプログラム参加も促しながら問題を克服していくよう訴えました。


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