2005年12月14日(水)「しんぶん赤旗」

独左翼党が合同方針

“議会内外で弱者を守る”


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(写真)左翼党の大会で言葉を交わす連邦議会会派共同議長のギジ氏(左)とラフォンテーヌ氏(右端)=10日(片岡正明撮影)

 【ドレスデン=片岡正明】ドイツの左翼党は十、十一の両日、ドレスデンで党大会を開催し、九月の連邦議会(下院)総選挙をともにたたかった「労働と社会的公正のための選挙代案」(WASG)と二〇〇七年六月末までに合同する方針を採択し、閉幕しました。

 左翼党は旧東独部に地盤を持つ民主的社会主義党(PDS)が、旧西独を中心とする左翼政党WASGとの統一選挙名簿で下院総選挙に臨むために改称した政党。同選挙で得票率8・7%を獲得し、議席を二から五十四に伸ばしました。

 大会で採択された方針では「左翼党はWASGとともに民主的社会主義を発展」させ、「公正で連帯のある統一過程を進める」としています。また、党合同まではWASGの党員にかぎり、二重の党籍を認めます。

 ビスキー議長は冒頭演説で、下院総選挙でドイツに政治的転換の可能性が生まれたと強調。「新自由主義的な破壊に対する民主的代案が実現するように左翼党とWASGがともに力を合わせなければならない」と語りました。また五月以来、青年を中心に三千三百人の党員が新たに入党したことを明らかにしました。

 左翼党下院会派共同議長のラフォンテーヌ氏(元社民党党首、元蔵相)は、左翼党の躍進によって、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と自由民主党(FDP)の保守連立政権復活を阻止したことを強調。左翼の圧力で旧東西ドイツ間の失業援助金格差を是正し、CDU・CSUなどが主張していた夜勤休日労働手当への課税や単一所得税制(フラットタックス)を阻止したと語りました。また同氏は、下院でヘッジファンド(機関投資家や資産家から資金を集め、国際的な為替、株式、債券などの市場で高い収益を狙う投機集団)を規制する法案を提案していると報告しました。

 もう一人の共同議長、ギジ氏(元PDS党首)はWASGとの合同について「これから新たな綱領、規約の提案、支部での討論という長い過程、生みの苦しみがある」と指摘。しかし、合同へ向けるエネルギーは10%にとどめ、90%の力は国民や弱者を守るために議会内外でたたかいを展開していくことに向けようと訴えました。

 大会では党幹事長にディートマー・バルチュ氏を選出しました。

 左翼党の党員数は現在約七万人、WASGは約八千人です。


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