2005年12月11日(日)「しんぶん赤旗」

“九条”は障害者運動の原点

「きょうされん」が集い


 障害者福祉の視点から平和の意義と尊さを考えようと十日、きょうされん(旧・共同作業所全国連絡会)が講演と映画のつどいを開きました。講演で秋元波留夫きょうされん顧問は「(戦中)ごくつぶしは死んだほうがましとされ障害者の多くは飢え死にし、国家により虐殺された」と語りました。

 秋元氏は、戦争当時、精神科医として務めていた武蔵野療養所でのことを証言。国に食料の配給を求めたところ断られ、多くの患者が飢え死にしたといいます。精神的に安定した人を故郷に帰そうとして、親族から「日の丸を振って送り出したのに、精神病院から帰って来るのは恥ずかしい」と拒否されました。

 秋元氏は、新たな障害者も生み出す戦争は、最大の敵として小泉首相の靖国参拝や改憲の動きに憤りを表明。「九条を守る運動の原動力となり改憲の暴挙を粉砕することこそが、障害者運動の原点」としました。

 埼玉大学の清水寛名誉教授も講演。戦時下のハンセン病患者がおかれた状況や戦争で精神障害になった元軍人などのことを話しました。精神障害になった元軍人が現在も入院生活を強いられているといいます。清水氏は韓国・台湾のハンセン病裁判を挙げながら「九条を守るとともに、アジア太平洋平和共同体づくりにいかしていこう」と呼びかけました。

 同つどいは、戦後六十周年特別企画として「忘れた歴史はくり返す」をテーマに行われたもの。講演のほか、憲法九条を守ろうとつくられた「9―NINE―憲法9条は訴える!」が流されました。


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