2005年11月9日(水)「しんぶん赤旗」

悲痛な願い踏みにじる

ハンセン病「台湾訴訟」 厚労省が控訴


 日本の植民地統治下のハンセン病強制隔離をめぐる補償訴訟のうち、国が敗訴した「ハンセン病台湾訴訟」で、川崎二郎厚労相は八日、閣議後の記者会見で控訴することを表明しました。また、ハンセン病補償法の補償基準とは別枠で韓国、台湾、サイパン、パラオなどを含めた国外被害者の補償をする方針を明らかにしました。弁護団と原告らは同日、協議の場を設けることなどを厚労省に要請しました。

 十月二十五日の判決後から連日、厚生労働省前で、リレートークや集会を開き政府に「控訴断念」を迫ってきた原告や支援者からは、「別枠での解決は新たな差別。生きているうちの解決を願う原告の悲痛な願いを踏みにじる」と怒りと失望の声が上がりました。

 訴訟は、韓国と台湾のハンセン病元患者が「補償法」に基づく補償を請求したのを国が棄却したために取り消しを求めて提訴。「韓国訴訟」は原告が敗訴しましたが、「台湾訴訟」では支給しないのは「平等原則に反する」と国が敗訴。東京地裁で正反対の判決が出て、この日が控訴期限となっていました。

 厚労省が委託した有識者でつくる「ハンセン病問題検証会議」が三月にまとめた最終報告は「植民地下の患者は少なくとも国内と同様に人権侵害を受けた」と明記しています。

■差別しないで 原告ら会見

 「台湾訴訟」について厚生労働省が控訴を決めたことを受けて東京・霞が関の弁護士会館で原告や弁護団が記者会見。通訳の張?隆さんから説明を受けると台湾の楽生院に入所する原告・陳石獅さん(82)の表情がこわばりました。

 「療養所では犯罪者のような扱いを受けた。その記憶は今も鮮明。四年前、日本の入所者は補償を受けることができた。なぜ私たちは補償を受けられないのか」と憤りをあらわにする陳さん。「解決するのにあと何年かかるのか。私たちは高齢です。解決をみるまでは、死んでも目を閉じたくない。差別ある扱いをしないでほしい」

 現在小鹿島(ソロクト)更生園に戻った韓国の原告・蒋基鎮さん(84)は、「厚労・法務両大臣が早期解決してくれると言っていたから期待していた。言い訳をしているのをみると大臣の言葉はうそだったと思う。日本が恨めしい」、同・李幸心さん(76)も「天が崩れたようだ。日本政府は先進国ではない。また裁判することになるなら、たたかいたい」と話しています。


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