2005年11月7日(月)「しんぶん赤旗」

イラクのウラン購入虚偽情報

伊元工作員のねつ造?


 米中央情報局(CIA)秘密工作員実名漏えい事件の発端となった虚偽情報について、米国とイタリアの当局者は四日までに、この情報はイタリアの軍事情報機関SISMIの元要員が金目当てでねつ造したものだと発表しました。しかし真相は依然、闇の中です。

 問題の情報は、「イラク・フセイン政権が核兵器開発のために西アフリカのニジェールからウラン鉱を輸入しようとしている」というもの。ブッシュ米大統領は二〇〇三年一月の一般教書演説で、これに言及してイラクの脅威を強調。同年三月のイラク侵攻の理由の一つにしました。

 ところが、この情報の真偽の確認のためCIAによって〇二年二月にニジェールに派遣されたウィルソン元駐ガボン米大使が、「情報には根拠がないと報告したのに一般教書で使われた」と政府を批判。それが今、CIA漏えい事件に発展しています。同事件は、ニクソン大統領を辞任に追い込んだ七二年のウォーターゲート事件になぞらえ、「ニジェールゲート」事件とも呼ばれています。

 虚偽情報の出所が政治問題化しているイタリアでは三日、ポラーリSISMI長官が議会の非公開調査委員会で証言。「情報はロッコ・マルティーノ元要員がねつ造した」とし、SISMIの直接の関与を否定しました。ミラーFBI報道官も四日これを確認しました。

 米メディアなどの報道によればマルティーノ氏は、「イラクがニジェールからウランを入手しようとしている」とのニジェール政府の文書を二〇〇一年にねつ造。SISMIやCIAなどに売り込もうとしました。

 CIAは、その信ぴょう性を疑問視。SISMIは〇一年十月十五日付の書簡で、イラクの核開発の「証拠」として、この情報をCIAや各国情報機関に伝達しました。しかしイタリア側は〇三年初めまでには、文書が偽造だと米政府に伝えたといいます。

 疑問がもたれているのは、イラク戦争強行を扇動した米国のネオコン(新保守主義者)とポラーリSISMI長官との密接な関係です。同長官は、イラク・イラン両政権打倒論の急先ぽうであるマイケル・リディーンらと〇一年十二月に会合。〇二年九月にはハドリー国家安全保障問題担当米大統領副補佐官(現・補佐官)と会合したことが知られています。

 「ニジェール・ウラン情報」はブレア英政権も戦争正当化に利用。同政権は「情報源はイタリアとは別だ」と主張してきたため、改めて政治問題化しています。(坂口明)


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