2005年11月2日(水)「しんぶん赤旗」
カシミールを非武装に
インドとの紛争解決に意欲
パキスタン大統領
【ニューデリー=豊田栄光】パキスタンのムシャラフ大統領は三十一日、イスラマバードで記者会見し、「カシミール地方全域の非武装化を考えるべきだ」と述べ、パキスタン・インド両軍の撤退を呼びかけました。
また今回のパキスタン地震被災地の救援活動を「紛争解決の絶好の機会」と語り、一九四七年以来続く紛争の解決に意欲を示しました。
カシミール地方は、両国が領有権を争い軍を展開し、双方が実効支配地域を持つ地域。三度の戦争の末、二〇〇三年に停戦に合意しました。
救援活動を通じて和平機運は高まっています。十一月八日には停戦ライン(実効支配線)が開放され、救援のための自由な往来が始まります。分断家族はじめ往来の人数に制限もありません。
ムシャラフ大統領は十月下旬から海外メディアとのインタビューで、「実効支配線を無意味なものにする」(英BBC放送)、「われわれはあまりに巨額の金を軍事に使っている。非武装化を支持する」(サウジアラビア英字紙アラブ・ニューズ)などの発言を繰り返していました。
同大統領は昨年十月にも、カシミール地方の非武装化、新たな統治体制(印パ共同管理、国連管理など)の模索を非公式に提案しました。