2005年10月31日(月)「しんぶん赤旗」

ニューデリー爆発

死者65人に

祭り前の市場 標的


 【ニューデリー=豊田栄光】インドの首都ニューデリーで二十九日夕、ほぼ同時に三カ所で起きた連続爆発事件では、三十日現在、死者が少なくとも六十五人にのぼっています。一部地元紙は七十人と報じています。

 テレビは血まみれになった負傷者の姿や、「両親が見つからない。だれか助けてくれ」と叫ぶ市民の映像など悲惨な状況を伝えています。

 事件直後、パティル内相は「事故でないことは明らかだ」とテロ事件と断定。シン首相も「標的は無実の市民。政府は極悪なテロリストのたくらみをうち負かす」との声明を発表しました。

 爆発があったのは買い物客でにぎわう市場。十一月上旬にあるヒンズー教の「ディワリ」とイスラム教の「イード」という祭りを前に、市場は一年でも最も混雑する時期です。

 政府はただちに市場の閉鎖を命じ、警備の警官を増員、道路にバリケードを設置し車の検問を強化しました。すでに少なくとも二十一人の身柄を拘束、事件との関連を調べています。

 捜査当局はイスラム過激派による犯行との見方を強めていますが、動機や目的は定かではありません。

 三十一日には、一九九二年にニューデリーで起きたイスラム過激派によるテロ事件の判決が予定され、その妨害では、との見方も出ています。

 二〇〇一年十二月、インドとパキスタンが領有権をめぐり対立しているカシミール地方の分離独立をめざすイスラム勢力が、インドの国会議事堂を襲撃する事件が起きました。インド政府はパキスタンのイスラム過激派が関与したとして非難、両国関係が一気に緊張しました。

 地震救援で停戦ラインの開放を合意するなど両国間の和平ムードが高まる中、パキスタン政府は直ちに今回のテロ事件を非難する声明を発表しています。


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