2005年10月26日(水)「しんぶん赤旗」
欧州共通の土台は「連帯」
新自由主義を批判
ユーログループ議長
【パリ=浅田信幸】ユーロ圏諸国で構成されるユーログループの議長、ルクセンブルクのユンケル首相は二十四日付仏経済紙レゼコーのインタビューで、「欧州社会モデル」の共通基盤を強調し、市場まかせでよいとする新自由主義を批判しました。
同首相は、欧州に共通のモデルがあるわけではないとしつつ、「共通の土台」に「連帯」があるとし、「市場と政治の均衡点」を見いだす必要があると強調。「寛容のない効率が何の役に立つのか」とのべ、市場万能論を批判しています。
ユンケル氏は、フランスとオランダでの欧州憲法案の否決や六月EU首脳会議での予算合意不成立などから、「欧州は深い危機にある」との認識を表明。
EU議長国イギリスのブレア首相が今週主催する非公式首脳会議について、欧州憲法も予算も議題にあげられていないことから「苦境を脱するものにはならない」と厳しい見方を示しました。
首脳会議は経済改革を含めた「欧州社会モデル」のあり方が議題。ブレア首相は「自由主義的アプローチ」の導入による欧州の「現代化」路線を確認する意向と伝えられています。