2005年10月23日(日)「しんぶん赤旗」

石綿補償求め署名

100万人めざす

国・企業の責任問う


 「『ノンアスベスト社会』の実現とすべての被害者の補償を!」――。市民団体「石綿対策全国連絡会議」は二十二日午後、東京・千代田区の有楽町マリオン前で「アスベスト対策基本法の制定、すべての被害者の補償を求める」百万人署名運動を開始しました。

 二時間の行動に約五十人が参加。建物の解体工事を行うときに着用する専用の保護着などを着て署名を呼びかけ、二百四十六人分の署名が寄せられました。同日、名古屋市内でも行われました。

 署名は、すべての被害者を国と企業の責任で救済・補償するとともに、子どもたちを含めた将来の健康被害を予防。「ノンアスベスト社会」の実現に向け、抜本的・総合的な対策を早期に実施するよう国に求めるもの。

 来年一月下旬までに百万人分を集め、次期通常国会に提出する予定です。

 アスベスト被害者の遺族も参加し、街頭で初めてマイクを握り、署名を呼びかけました。

 昨年十二月にアスベストによる健康被害で父を失った横浜市の会社員、加藤麻衣さん(31)は「昨年八月に中皮腫と分かった時点で、すでに手遅れで、手術もできなかった。治療を受けていたが、何もできずに苦しんで亡くなった。これから患者が増えていくと聞くので、他人事と思わず、署名してほしい」と涙をこらえながら訴えました。

 署名をした東京・品川区の主婦(55)は「自宅にもアスベストがあるのではないかと思うと不安。被害が広がっているのに、政府の対策が遅い。知っていながら放置してきたなんて許せない。国と企業が責任をもって救済しないといけない」と話していました。


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