2005年10月20日(木)「しんぶん赤旗」

大企業に負担求めると海外に逃げる?


 〈問い〉 大企業に相応の負担を求めたら、海外に出ていってしまうのでは?(東京・一読者)

 〈答え〉 大企業に相応の負担を求めたからといって、海外に出ていくことはありません。

 経済産業省の「企業税制改革に関する研究会」が提出した「中間論点整理」によると、企業の税負担と社会保険料負担(事業主)の合計(対GDP比)は、日本が7・6%ですが、ドイツは9・1%、イタリアは11・7%、フランスは14・0%となっています。

 つまり、ドイツの企業は、日本の企業の1・2倍、イタリアは1・5倍、フランスは1・8倍の負担をしながら、きちんと経営をおこなっているのです。

 もし、日本の大企業にいま以上の負担を求めたら「海外に出て行く」というのであれば、ドイツやフランスでは、とっくに海外に出て行ってしまっていることになります。しかし、そのことで大騒ぎになったという話など聞いたこともありません。

 もちろん、どこの国でも大企業は、海外進出をすすめています。しかし、それは国内での営業だけで満足せず、海外でももうけるためで、そっくり“脱出”しているわけではありません。

 経済産業省が毎年おこなっている「海外事業活動基本調査」をみれば、日本の大企業がどういう動機で、中国はじめアジア諸国などに進出しているのかがわかります。

 「海外進出の動機」は、「現地での販売維持拡大」が29・6%、「コスト面で有利」が12・2%、「第三国での販売維持拡大」が12・1%、「進出企業への部品等の供給」が10・9%などとなっています。ここで、「コスト面で有利」とは、日本の20分の1など、きわめて低い賃金コストのことです。この調査では、「税負担」についての項目さえありません。

 小泉首相は、「企業の負担が増えると海外に逃げてしまう」といっていますが、ヨーロッパ諸国の税・社会保険料負担の実態、日本の大企業の「海外進出の動機」をみれば、これは作り話にすぎないのです。(橋)

〔2005・10・20(木)〕


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