2005年10月17日(月)「しんぶん赤旗」
黒人が抱える問題解決へ集会
米首都に10万人
貧困や教育 願い訴え
【ワシントン=山崎伸治】一九九五年十月にワシントンでアフリカ系米国人(黒人)社会の改革を求めて行われた「百万人行進」から十周年を記念して、「ミリオンズ・モア・ムーブメント」と題した集会が十五日、同市内中心部の国会議事堂とワシントン記念塔を結ぶ公園(モール)で開かれました。集会で参加者数の公式発表はありませんでしたが、十万人以上が集まったものとみられます。
これは十年前の「行進」と同様、黒人イスラム教団体「ネーション・オブ・イスラム」の指導者ルイス・ファラカン師が呼びかけたもの。アフリカ系米国人が直面する貧困や教育、暴力などの諸問題を解決する新たな機会にすることを目的にしています。
アフリカ系米国人男性だけに参加を呼びかけた十年前の「行進」とは違い、今回は女性や子どもも参加。先住米国人やキリスト教団体の代表なども演説で訴えました。
黒人議員団(ブラック・コーカス)のエリジャ・カミングズ下院議員や人権活動家のジェシー・ジャクソン師、プリンストン大学のカーネル・ウェスト教授ら著名人が続々と演説。ヒップ・ホップやジャズ、レゲエの演奏もあり、半日に及ぶ集会となりました。
大型ハリケーン「カトリーナ」で被災し、ニューオーリンズからヒューストンに移されたタンクリジ・サンイカさんは、「あれは人間が作り出した災害だ。ことに連邦政府の責任だ」と批判しました。イラクで米兵の息子を失ったエレイン・ジョンソンさんはブッシュ政権の戦争政策を糾弾しました。
キューバのアラルコン国会議長、ジャマイカのパターソン首相のあいさつがビデオで紹介されました。
ファラカン師は一時間以上にわたって演説。ブッシュ政権批判を繰り広げました。