2005年10月7日(金)「しんぶん赤旗」

スンニ派幹部「不参加も」

イラク国民投票 米攻撃に反発


 【カイロ=小泉大介】米軍が十五日のイラク憲法国民投票を前に同国西部のカイム、ハディサとその近郊で「武装勢力掃討」を理由にした大規模軍事攻撃をおこなっていることにたいし、住民やイスラム教スンニ派指導部が反発を強めており、国民投票への同派の参加が危ぶまれる事態となっています。

 カタールの衛星テレビ・アルジャジーラは五日、現地ジャーナリストの話として、カイムでは米軍の攻撃と封鎖により、食糧や水、電気、ガスなどが枯渇し、住民の生活が深刻な状況にあると報道。ハディサ周辺でも、米兵が建物の屋上から無差別の銃撃をおこなうとともに、家宅捜索でさまざまな年代の住民を拘束していると伝えました。

 米軍は一連の攻撃でテロ組織アルカイダに関係する武装勢力四十二人を殺害したなどと発表しています。しかし、米軍攻撃にさらされている多くの住民は、「憲法国民投票を前に米軍がおこなっている攻撃の真の目的は、憲法草案に反対するスンニ派住民を投票から排除することにある」と怒りの声を上げています。

 米軍の攻撃にたいする反発はスンニ派指導部の間でも高まっており、同派の憲法起草委員を務めたムトラク氏は五日、ロイター通信にたいし、「スンニ派地域への米軍の攻撃がさらに三、四日つづくようなことがあれば、われわれは国民投票ボイコットを表明することになるだろう」と語りました。

 このような状況下、イラク暫定国民議会のハサニ議長(スンニ派)は五日、アルジャジーラとのインタビューで次のように強調しました。

 「私は率直に言って、この攻撃に反対する。スンニ派地域での攻撃は中止され、住民に国民投票での投票の機会が与えられなければならない。米軍の攻撃が投票から住民を排除するものだとの印象を与えてはならない」「(今年一月末の)暫定国民議会選挙の後がそうだったように、国民投票後に低投票率が問題になるような事態を避けるため、軍事攻撃とは別の選択肢がとられなければならない」


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