2005年10月6日(木)「しんぶん赤旗」
石原都知事の国連憲章否定
自民・民主・公明が容認
共産党提出 猛省決議案葬る
東京都議会の議会運営委員会理事会は五日、石原慎太郎知事による国連憲章否定の暴言への対応について協議しました。日本共産党の吉田信夫理事は、石原知事に発言の撤回と猛省を求める決議案を提出しましたが、自民、民主、公明各党が反対し、六日の本会議には提出されないことになりました。
日本共産党の決議案は、「今ごろ国連憲章なんていうものをまともに信じているばかいませんよ」「国連の無能ぶり」などという知事の発言について、「国連憲章を否定し、国連を侮辱する発言であり、多くの戦争犠牲者をだした首都・東京の代表として、許されるものではない」と指摘。本会議で「ばか」と発言したことについて「都議会の品位を傷つけるもの」と批判しています。
吉田氏が理事会で決議案の趣旨を説明したのに対し、自民党は「考えが違う」と反対し、公明党も「当事者が抗議すればよい」などと反対。「知事の慎重な発言を求める」と議長に要請していた民主党は「発言の撤回を求めたのではない」と反対しました。生活者ネットワークは決議案に賛成する意向を表明しました。
吉田氏は同日、記者会見し、「見過ごせない知事の発言を放置するようでは、議会の存在意義が問われることになる」とのべ、決議案に反対した各党を批判しました。