2005年9月28日(水)「しんぶん赤旗」

有機農業を発展させる政策は?


 〈問い〉 有機農業の発展について貴党はどんな考えと政策をお持ちですか。(山梨県・一読者)

 〈答え〉 高度成長期以降の政府の農政は、食料の外国依存をすすめる一方、国内生産では効率最優先で大規模化や大産地化を推進し、農薬や化学肥料への過度の依存を広げてきました。それが、農家や国民の健康を脅かすとともに生態系や環境にマイナス影響を与え、生産の持続可能性も危うくしてきました。

 有機農業は、そうしたことへの反省から、農家や民間の技術者の中で、農薬や化学肥料に依存しない、生態系や環境と調和した循環型農業の主な農法として、食の安全を求める国民の願いとも結んで発展してきました。

 とはいえ、高温多湿の日本では、雑草や病虫害の発生が避けられず、それを防ぐのにはかつてのような重労働か、農薬に変わる技術の模索というリスクが農家にのしかかります。化学肥料に依存しないで生産力を維持するのも、それなりの負担と努力が求められるのが現状です。

 こうしたことから、無農薬・無化学肥料を全国一律の基準にするのは困難ですが、自然の生産力を生かす循環型の生産として有機農業は政府や自治体も積極的に支援すべきと考えます。

 政府も、農家や関係者の願いにおされて有機農業を認めるようになりましたが、実際におこなったのは、欧米の乾燥地帯での基準をそのままあてはめ、農薬や化学肥料を3年間使用しないものだけを「有機」と表示できるという規制です。

 この制度が導入されて以降、外国産「有機」が大幅に増え、国内産の割合は減っています。地域資源の循環をめざす有機農業の理念とはかけ離れた事態です。

 日本共産党は、有機農業の振興のためには、効率や大規模化一辺倒でない日本の条件に合った経営や技術に対する援助、地産地消や産直などへの支援、生産者と消費者の交流、技術の研究・開発、農地の定期的な調査など総合的な施策が必要だと考えます。その一つとして、有機農業生産者にたいして、そのリスクや負担を補てん・援助する直接支払い制度を導入することを提案しています。(橋)

 〔2005・9・28(水)〕


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