2005年9月28日(水)「しんぶん赤旗」

インド

パイプライン計画 暗雲

IAEAイラン非難決議に賛成

「米に屈した」 国内で批判


 【ニューデリー=豊田栄光】イランの濃縮ウラン転換作業再開を非難する国際原子力機関(IAEA)理事会決議(二十四日)にインドが賛成したことで、イランとの間のパイプライン計画に悪影響があるとの懸念が出され、波紋が広がっています。

 二十六日、サラン・インド外務次官の記者会見で最初に出た質問は「エネルギーの安全保障」でした。インドの天然ガスパイプライン敷設計画は、パキスタン経由でイランとの間で進められています。質問は、IAEAでの決議賛成の悪影響を懸念してのもの。

■合意遂行に困難

 同次官は「インドはイランを支援する役割を果たした。なぜエネルギー安保に影響するのか」と反論しました。しかし「インドは(パイプライン)合意遂行に多大な困難に見舞われるだろう」(ヒンドスタン・タイムズ二十六日付)との論評も出ています。

 決議はイラン核問題の国連安保理への付託は先送りしつつも、その必要性は認定しています。安保理付託は、国連による対イラン経済制裁に道を開きます。イランは核兵器の開発を否定。核の平和利用の権利を主張し、決議受け入れを拒否しています。

 決議は英独仏三カ国が提案し、米国、日本、インドなど二十二カ国が賛成。反対は一、中ロ両国や非同盟諸国など十二カ国は棄権しました。インドは採決前に安保理付託の不支持を表明。非同盟諸国、途上国と歩調をあわせていたため棄権するとみられていました。

 サラン次官は「インドは対決の回避を追求してきた」と述べ、欧米諸国が求める即時安保理付託が先送りされ協議継続となったため賛成に回ったと説明しました。

 しかしバーンズ米国務次官は、「(インドの賛成は)先進国対途上国の論争に持ち込みたかったイランには打撃となった。インドの支援に感謝する」と述べました。

■非同盟「裏切る」

 シン政権の決議賛成には与野党から痛烈な批判が出ています。昨年の総選挙で野党となった前政権党・インド人民党の幹部シンハ前外相は「インドを米国の隷属国家にした」と語りました。

 政権を閣外から支持するインド共産党(マルクス主義)は「米国の脅しに屈した」と非難しました。インドはブッシュ政権との間で核エネルギー技術支援協定に署名しましたが、米議会は批准していません。脅しとは批准拒否のことです。

 非同盟主義を裏切り、「米国の好む方向に傾斜した」(閣外支持のジャナタ・ダル)との声も出ています。

 アイヤル石油・天然ガス相は二十七日、インドの決議賛成はパイプライン計画に否定的影響を与えないと発言。高まる懸念の払しょくに懸命です。


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