2005年9月26日(月)「しんぶん赤旗」

米国

“行動が世界変える”

イラク撤退へ思い一つ


写真

(写真)ワシントン市内をデモ行進する人たち=24日(山崎伸治撮影)

 【ワシントン=山崎伸治】二十四日の反戦集会に全米各地から首都ワシントンに詰めかけた三十万人以上の人たちは、それぞれが独創的な装いで、プラカードや横断幕を掲げ、ホワイトハウスを取り囲み、声をあげながら街を練り歩きました。思いは一つ、米軍のイラク撤退です。

 「彼らを帰せ―第二次大戦の退役軍人」というプラカードを首から下げたルドルフ・ミラーさん(80)=メリーランド州=は大戦中十九歳のとき歩兵としてフランスでたたかいました。

 「政府は間違っています。ベトナム戦争と同じことをやろうとしている。やめさせなければ、さらに多くの犠牲者が生まれます。わたしもがんばります」と力強く語る胸には、戦闘中負傷した兵士に贈られる「パープルハート」など三つの勲章がありました。

 マサチューセッツ州から夜行バスで来たというホセ・インベンシオさん(42)、ローラ・ベイリーさん(40)夫妻は「戦争ではなく、堤防をつくれ」と書いたTシャツを着ていました。「津波の被害者やアフリカの飢餓を救うためなら(国の)金を使うのはかまわない。イラクではハリバートンやベクテルなど進出している米企業がもうかるだけです」といいます。

 ニューヨーク市立大学で法律を学んでいるリア・フォスターさん(27)は「初めはたった一人でも、その行動が世の中を変えていくのだと思います。ここに集まっている人たち一人ひとりがそれぞれ行動することで広がっていくのでは」と語りました。

 「とても保守的」というノースカロライナ州シャーロットから来たアーロン・ベアーさん(22)は海軍を退役してまだ一年にもなりません。「やめたのはイラク戦争に反対だったから」。一緒にいたアンジー・ポストさん(19)は、「ブッシュ政権が地球を痛めつけていることに飽き飽きしている。民主党にも期待していない。金持ちの方ばかり向いている政党は信用できない」といいます。

 鉄格子の向こうにいるブッシュ大統領とチェイニー副大統領の顔の下に、キング牧師の有名な言葉をもじって「アイ・ハブ・ア・ドリーム(わたしには夢がある)」と書いたプラカードを掲げていたミカエラ・エドワーズさん=ミシガン州=は「わたしの町は小さいので、こんなデモを見るのは初めて。歩く距離が長くて大変だけれど、来てよかった」といいます。「ブッシュ大統領は、自分が世界に対して何をしているのか分かってないのね。恥ずかしいことです。米国民は善良です。政権が悪いだけ」。

 ケイティ・ウェイレンさん(56)=ケンタッキー州ルイビル=は、イラク戦争の始まる前から、毎週日曜日、地元選出の連邦議会議員の事務所前で抗議行動をしています。「この国は政治でも経済でも道をはずれています。だから国民がこうして抗議することがいま一番必要だと思います」といいながら横断幕を掲げました。

■西海岸でも

 ロイター通信によると、米軍のイラク撤退を求める行動は米西海岸カリフォルニア州のロサンゼルス、サンフランシスコでも行われました。

 ロサンゼルスの行動には約一万五千人が参加。米国旗に包まれた六十の模造のひつぎが市中心部の通りに並べられました。イラク北部のモスルで昨年死亡した息子の写真を手にひつぎの前に立ったリバーサイド在住のビッキー・カストロさんは、「これが毎日のように起こっていることなのです」と語りました。

 サンフランシスコの反戦行動にも数千人が参加しました。


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