2005年9月20日(火)「しんぶん赤旗」

左翼党躍進にわく

弱者の声代表に期待

「失業者いじめ」政党を否定

ドイツ


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(写真)18日、ベルリンの左翼党選挙勝利集会で勝利宣言するギジ氏(左)とラフォンテーヌ氏(片岡正明撮影)

 【ベルリン=片岡正明】ドイツ連邦議会選挙の大勢が明らかになった十八日夜、躍進した左翼党のベルリン・シュロッス広場での選挙勝利集会では、弱者や労働者の声を代表する勢力が大きく伸びたことに期待があふれました。

 各テレビの出口調査結果で同党躍進が決定的になった午後六時過ぎ、歓声が沸き起こる中、登壇したビスキー党首は「われわれは連邦議会の会派資格を獲得した。キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と自由民主党(FDP)の政権誕生を防いだのはわれわれだ。欧州全体にも左翼が統一すれば大きな力をもつことを示せた」と発言。ビスキー党首は続いて「われわれはまず連邦議会でドイツ軍のアフガニスタンからの撤退、失業保険給付期間短縮や失業扶助金削減の廃止を提案する」と語りました。

 ラフォンテーヌ元社民党党首とともに左翼党共同筆頭候補として選挙戦をたたかったギジ元民主的社会主義党(PDS)党首は「左翼党の躍進でドイツはきょうから大きく変わる。一年前には考えられなかったことだが旧西独でも左翼の力が確立し、政治の風景が変わった」と強調しました。

 ラフォンテーヌ氏は「社民党、CDU・CSUは敗北し、ドイツ国民は社会福祉削減の政策を明確に否定した。左翼党はこれから議会で大事な役割をはたす。労働者のみなさん、新しい左翼を支援してください」と訴えました。

 集会に参加したマルティンさん(40)は、「コンピューター関係の仕事についていたが失業している。今の政府の失業者いじめ政策には反対。強い左翼の立場の党が必要だ」と語りました。

 ▼ドイツの選挙制度

 ドイツ連邦議会(下院)の総選挙では有権者は、二百九十九区に分かれた小選挙区選挙と十六ある州ごとの比例代表選挙の二票を持ちます。比例代表選挙の得票に応じて基本議席数(五百九十八)が州ごとに各党に配分されます。比例代表選挙の当選者はこの配分議席数から各党の小選挙区での当選者数を引いた数となります。このため各党の獲得議席はほぼ得票率と比例します。比例議席配分には、小選挙区議席三以上を確保するか、5%以上の得票率が必要だという制約があります。


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