2005年9月18日(日)「しんぶん赤旗」

「つくる会」教科書 採択わずか

平和・憲法守る

草の根の勝利


 教科書問題に取り組んでいる市民団体「子どもと教科書全国ネット21」の第八回総会が十七日、東京都内で開かれ、全国から約二百三十人が出席しました。侵略戦争を正当化する「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書に反対して取り組んだ各地の運動を交流、今後の活動について議論しました。

■教科書ネット総会 各地の運動紹介

 俵義文事務局長が昨年からの活動のまとめと今後の方針について提案。「『つくる会』の教科書は憲法を改悪し、日本を戦争をする国にするための政治運動の道具。その採択をごく少数で終わらせたことは憲法を守り、平和を守る草の根の民主主義の勝利だ」とのべました。同時に、採択された地域で「つくる会」教科書通りに教えることを教師に強要する動きも出ていることを明らかにし、この教科書の問題点をさらに多くの人に知らせる必要がある――と強調しました。

 討論では各地の会員から、「つくる会」教科書の採択を阻止するために地域のすべての教育委員会に要請したり、学習会を重ねて運動を広げた経験、韓国の市民団体と共同して取り組んだ経験などが出されました。自民党議員が「つくる会」幹部を呼んで集会を開いたり、「つくる会」の主張に沿って議会質問をするなど、政治的な圧力で「つくる会」教科書を採択させようとした実態が報告されました。

 東京の会員は四月に開いた集会で「つくる会」教科書の問題点を学習した人が、それぞれの地域で小中学生の親と一緒に学習しよう、展示会にいって意見を書こうという呼び掛けをしてきたと報告。「つくる会」教科書を採択した都教委に対して撤回を求める運動を進めるとともに、教師の意見が反映されなくなった採択制度の改善に力を注ぎたいと語りました。

 「つくる会」教科書が今回はじめて採択された栃木県大田原市の会員も発言。「子どもの未来を守る会」を結成し、署名や学習会など採択撤回の運動を始めていることを紹介し、「子どもたちのためにあきらめるわけにはいかない」と語りました。

 ジャーナリストの斎藤貴男さんが記念講演しました。


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