2005年9月4日(日)「しんぶん赤旗」

改憲案づくり 「大詰め」

自民・民主は“争点隠し”

共産党 憲法守る確かな力


 二十一世紀の日本の進路を左右する憲法改定問題。自民党や民主党はマニフェスト(政権公約)で改憲を明確にしながら、党首や幹部の演説などでは一切触れず、争点にすることを避けています。しかし、自民党の改憲案づくりは「大詰め」(党関係者)。憲法改悪を許すのか、食い止めるのか、国民が審判するときです。


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■戦争する国へ

 改憲の狙いは、海外での武力行使の“歯止め”となってきた九条二項(戦力不保持)を削除し、日本を「海外で戦争をする国」に変えることです。

 自民党は八月一日の「新憲法第一次案」で「戦力不保持」だけでなく「戦争放棄」まで削除する一方、「自衛軍を保持する」と明記。「国際協力」や「秩序維持」を名目に武力行使を可能とする九条全面改悪案を示しました。

 民主党も、「憲法提言」に向けた「中間報告」(四月二十五日)で「『自衛権』を憲法上明確に位置付ける」と主張。鳩山由紀夫元代表は「自衛権を自衛軍という形で書き入れるべきだ」と小泉首相に迫りました。(二月二日衆院予算委)

 しかも、この改悪案は、総選挙後ただちに具体化されます。自民党は、マニフェストで「(平成)17年11月15日までに自民党憲法草案を策定し、公表する」と明記。民主党も、来年には改憲草案を発表する予定で、両党の動きをみて、公明党も「考え方」を発表するとしています。

 衆院議員の任期である今後四年間に、国の根本にかかわる憲法改定の動きが重大な段階を迎えるのに、改憲の中身も日程も隠したままというのは、有権者への背信です。

■“対立避けよ”

 こうした争点隠しの背景には、自民・民主の共通の思惑があります。

 今年二月十八日、都内の講演で自民党の中山太郎・衆院憲法調査会会長は「自民党の葉梨(康弘)君(衆院議員)が次の選挙の争点は憲法の改正だといった。そのとき民主党は選挙の論争点にしてはいけない、そんなことをしたら政党の対立が永久に続いて憲法の改正ができなくなると(発言した)」とのべました。

 実際、民主党の枝野幸男・党憲法調査会長も、三月二十一日に都内の公開討論会で「政治は現実社会の問題ですから(改憲発議に必要な)三分の二を形成しようと思ったら、選挙の争点にしないことだ」と発言しています。それを実行するかのように、民主党はマニフェストの重点政策(8つの約束)から憲法問題をはずしました。

 社民党は「改定反対」といって、自民、民主を批判していますが、当の民主党と全国で選挙協力し、肝心のマニフェストにも「憲法を守る」の言葉はないなど不確かな態度です。

■守りぬける党

 日本共産党は、憲法改悪に反対するすべての人々と力をあわせて、憲法を守りぬきます。

 昨年六月に発足した「九条の会」は、全国津々浦々に三千を超える賛同する「会」ができています。日本共産党もこの共同の運動に参加し、全国に網の目のように「会」を広げる一翼を担っています。この党が伸びてこそ、憲法を守るたしかな力になるのです。


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