2005年8月27日(土)「しんぶん赤旗」

9条守る。だから共産党

いつも署名用紙 いま1270人

埼玉土建組合員安斉さん夫妻


 「困っている人を見たら助けたくなるでしょう。私、相手が喜ぶのを見ると、自分も満足する性格だからね。平和憲法を守れば、世の中の人が幸せになるじゃない」。埼玉県白岡町に住む安斉道子さん(54)は話します。

 道子さんは、十トンダンプカーの運転者を始めて十七年。埼玉土建宮代支部白岡西分会の組合員です。同分会長で、夫の操さん(58)もダンプの運転者。夫妻で協力し、憲法改悪反対、九条を守り生かす署名をこれまでに千二百七十人分集めています。支部が集めた署名も一万人を超えています。

 「私なんか、手を切っただけでも痛くてしょうがないけど、被爆者は体にも心にも大きな傷を負って、それをずっと背負って生きてきた。いまもイラクで戦争してる。戦争は嫌だから、戦争はしないと言ってる九条を守らなければ…。これからの生活を平和に過ごしたいからね」と道子さんは話します。

 安斉さん夫妻は兼業農家です。

 道子さんがダンプに乗り始めた当時、ダンプ運転者の過酷な労働がまん延し、過積載も問題になっていました。操さんも「いつまで仕事を続けられるかわからない」という状況に追い込まれました。

 そんなとき「お父さんが仕事を続けられなくなるなら、私がやるわ」と奮い立った道子さん。持ち前の行動力で、わずか十五日間で大型免許を取得しました。

 ダンプに乗ると、主に栃木県方面から埼玉県内への建築資材などの運搬にあたります。何往復もし、昼食もままならない多忙さです。

 だから道子さんは、どんなときも署名用紙を離しません。ボールペン数本に下敷き、高齢の人のための老眼鏡を一つの袋に入れて、いつも持ち歩き、どこでも署名への協力を呼びかけます。近くで開かれる祭りや美容室に行くとき、犬の散歩をしている人にも頼み、家族全員から署名してもらったこともあります。

 会社には東北や九州・沖縄など全国からダンプの運転者が集まります。「九条を変えて、自衛隊を海外にやって戦争をできるようにしようという動きが強まってるのよ」と、ここぞとばかりに署名を呼びかけます。

 安斉夫妻が所属する宮代支部の仲間は、こんな道子さんのとりくみを「安斉方式」と呼びます。

 「また、きょうも遅くまで署名か」。こう思ったこともあるという操さん。そんなとき「おっかあは、きょうも憲法署名でがんばってるんだな。ダンプの仕事が終わってから署名集めに行ってるんだもんな」という思いがよぎり、気持ちが落ち着くといいます。

 「お互いの理解がなければできんと思うよ」

 道子さんが留守のときは、自分で食事をつくり、協力します。信頼し合っての署名集めです。

 総選挙を目前に、署名してくれた千二百七十人の思いにどうすれば応えられるか―と考えています。

 道子さんが「お父さん、九条守るには共産党しかないんじゃないかな」と操さんに話しかけます。すると操さんが「自民党も民主党も憲法を変えると言ってる。憲法を守る共産党に大きくなってもらわなきゃ」と答えます。

 「九条を守るために日本共産党への支持を広げていこう」。道子さん、操さん夫妻はいま、そう思っています。

 (酒井暁史)


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