2005年8月13日(土)「しんぶん赤旗」

大統領選 初の複数候補

エジプト 「10人立候補」と選管発表


 【カイロ=小泉大介】エジプト選挙管理委員会は十一日、九月七日に実施される大統領選挙に、現職のムバラク氏を含む十人が立候補すると発表しました。初めて、複数候補による大統領選挙がおこなわれることが確実となりました。

 エジプトでは五月の国民投票で、それまでの事実上の大統領信任投票制度を廃止し複数立候補を可能にするための憲法改正が実現していました。

 選挙では人民議会(国会)で九割近い議席を占める国民民主党の党首でもあるムバラク大統領が五選を果たすことが確実視されており、他の九人の野党候補、とくに比較的有力とされる新ワフド党のグマー党首やガッド党のヌール党首らがどれだけ支持を得るかに関心が集まっています。

 ムバラク大統領は、選挙が公正で民主的におこなわれることを強調するとともに、首相や議会の権限強化などの政治改革と経済改革を推進すると表明しました。野党側ではグマー党首が一九八一年から敷かれたままとなっている非常事態令の解除や政治犯の釈放を求め、徹底した民主化を訴えています。

 一方、政党に所属せずに立候補するには人民議会議員六十五人以上の推薦が義務付けられたことから、国民進歩統一党やナセリスト党ら一部野党は改革が不十分だとして選挙をボイコットする方向です。今回、立候補を認められた十人以外にも二十人が申請しましたが選管の審査で却下されました。


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