2005年8月12日(金)「しんぶん赤旗」

石綿安全条約

政府、ようやく加盟

発効後16年 批准書を寄託


 アスベスト(石綿)による健康被害から労働者を保護する措置を定めた石綿安全条約(石綿の使用における安全に関する条約)への日本の加盟手続きが、同条約発効から十六年を経てようやく完了。政府は十一日、ジュネーブの国際労働機関(ILO)事務局に条約の批准書を寄託しました。来年八月十一日に発効します。鹿取克章外務報道官は十日の記者会見で「国際的に(アスベストへの)安全を重視する国の仲間入りをすることになる」と説明しました。同条約は一九八六年のILO総会で採択され八九年に発効し、二十七カ国が批准しています。

 政府は今月五日の閣議で、ようやく石綿安全条約の締結を決定。先の通常国会で批准が承認されました。日本の同条約加盟が条約発効から十六年も遅れた理由について「国内法令と整合していない部分があったため」と説明。

 日本が、条約が義務付けた青石綿使用禁止をとったのは九五年と採択から十年近く遅れました。国内法令と条約上の義務が整合したのは、昨年十月からアスベスト製品の原則製造・使用禁止やことし七月から施行された石綿障害予防規則を制定したことから。日本政府のあまりにも遅すぎた条約批准で、建設労働者はじめ工場労働者、その家族や住民にまで肺がんや中皮腫などの健康被害を拡大する結果を招いたことに批判がでています。


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