2005年8月10日(水)「しんぶん赤旗」

衆院選 どうたたかう

NHK各党討論 市田書記局長の発言

自民も民主も増税・改憲に賛成

国民の立場で悪政ただす


 日本共産党の市田忠義書記局長は八日夜、NHK「ニュース10」で「衆院選各党どう戦う」をテーマに各党幹部と討論しました。自民党の与謝野馨政調会長、民主党の川端達夫幹事長、公明党の太田昭宏幹事長代行、社民党の又市征治幹事長が出演。

 最初に解散について、与謝野氏は「正しい選択」、太田氏は「タイミングはあまりよろしくないが総理の決断」と発言。市田氏が批判しました。

■解散は自民党政治のゆきづまりが土台に

 市田 郵政民営化法案が否決、廃案になったのは国民世論の勝利だと思っています。その審判をくつがえして解散に打って出た。そうなった以上、今度は国民が審判を下す番です。「いまの政治はひどい、まともな政治を」と多くの国民のみなさんは願っておられ、そういう意味では自分の一票でいまの政治に審判を下したい、絶好のチャンスだと思っておられるわけです。私たちも堂々と意気高くたたかいたい。

 こういう事態になった土台に自民党政治のゆきづまりがあります。「痛みに耐えれば明るい明日が来る」と言ってきたが、結局社会保障の改悪、リストラ、賃金破壊でしょう。内政でも外交でもゆきづまりの極みだと思う。こういうときに、それには目もくれず郵政民営化だけに熱中している。これにたいし批判が高まった結果、こういう事態を招いているんじゃないでしょうか。

■日米の銀行・保険が郵貯簡保を食い物に

 「郵政解散なのか」と問われて討論。与謝野氏は「官から民へ、小さな政府という、改革の価値観が問われる。民主党は郵政改革に本来賛成すべき勢力なのに傍観者としてふるまい、逃げていた」と指摘。自民党の内紛で総選挙になったことについてどう思うかと司会者に問われ、市田氏は次のようにのべました。

 市田 私たちは国会で本質を突いた論戦をやったと思います。国民世論と国会での論戦が、否決に追いこんだ大きな力です。

 都市でも農村でもどこでも公平に郵便、貯金、簡易保険のサービスが受けられたのに、民営化で採算の取れないところは撤退する。そうしますと年金を受け取る窓口もなくなる。口座維持手数料が取られ、口座も設定することもできない。そういう金融サービスから排除される国民がたくさん生まれることになります。

 背景にあるのが郵便貯金と簡易保険の三百四十兆円。これは国民の虎の子の、老後や病気になったときのそなえのお金。それを民営化によって日本やアメリカの銀行業界、生命保険会社の食い物にする、ここに本質があるわけです。

 小さな政府と与謝野さんはおっしゃったが、郵政公社の職員の給料は事業収入で出ているわけで、国から一円もお金はでてない。しかも公社のままでいけば一千数百億円も利益が出て、国庫納付金だけでも六百九十二億円です。ところが民営化すれば逆に六百億円の赤字が出るというのは、竹中さん自身が答弁しておられるわけです。

■二大政党にできないゆきづまりの打開

 選挙戦について与謝野氏は「(首相は)郵政改革に反対した人とは将来とも組まないといっているのですから、新しい自民党をつくるための選挙になる」。川端氏は「(郵政民営化に)反対する勢力は悪と短絡的にいう中身のない小泉政治をおわりにしていこうと訴えたい」「郵政が争点とは思っていない」。太田氏は「改革をどの党が推進していくか、きめ細かく推進してきた公明党と訴えていきたい」。

 次いで市田氏が発言しました。

 市田 解散の根底に自民党政治のゆきづまりがあると言いました。自民、民主の二大政党でこのゆきづまりが打開できるのだろうか。どちらが政権につかれても、真っ先に新しい国会で問われるのは、消費税増税やサラリーマン増税、そして憲法改悪の問題です。そういう庶民増税に自民党も民主党も賛成しておられる。憲法九条を変えて海外で武力行使ができるようにする点でも、自民党も民主党も共通の土台に乗っかっておられるわけです。

 そういう意味では、どちらが政権についても、ゆきづまりは打開できない。どんな問題でも国民の立場に立った、悪政に立ち向かう「たしかな野党」が必要です。そのことを選挙戦で強く訴えていきたい。

 サラリーマン増税ですが、六月に政府税制調査会が(打ち出した)定率減税の廃止と所得税・住民税、これの増税総額は十二兆円です。年収五百万円のサラリーマン(四人家族)で、なんと四十二万円の増税。消費税の二ケタ増税を加えますと五十五万円です。もともとは自民、公明の与党税調が去年の年末にこういう方向でやろうと基本的に合意しておられるわけです。民主党さんも扶養控除とか配偶者控除を廃止しようという点では自民党さんと同じ考えです。そういう増税にストップをかけるためにも「たしかな野党」日本共産党をということを訴えていきたいと考えています。


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