2005年8月6日(土)「しんぶん赤旗」

国連安保理拡大

アフリカはG4案拒否

AU首脳会議独自案を承認


 エチオピアの首都アディスアベバからの報道によると、同地に本部を置くアフリカ連合(AU)主催のアフリカ首脳会議は、国連安全保障理事会改革案について、AU独自案の承認を決議。安保理常任理事国入りを狙うブラジル、ドイツ、日本、インドがめざしていた、いわゆるG4案との一本化を事実上拒否しました。首脳会議はまた、十カ国の首脳による委員会を設置、国連加盟国にAU案への支持を訴えることを決定しました。


 これにより、G4案は国連加盟国の四分の一以上を占めるアフリカ諸国の取り込みに失敗したことになり、日本政府などは戦略見直しを迫られます。

 エチオピアのメスフィン外相は、「アフリカの立場はアフリカからの拒否権付きの安保理常任理事国二議席を確保することだ」と強調しました。

 AU独自案は七月四、五の両日、リビアで開催された首脳会議で骨格が決まっていたもので、現在十五カ国の安保理を二十六カ国に拡大。常任理事国についてはアフリカ二カ国を含め六カ国拡大するというものです。

 G4案と大きく違うのは、現在常任理事国が持つ拒否権を新常任理事国にも付与するとしていること。G4案は新常任理事国の拒否権を当面十五年間、凍結するとしています。

 今回の首脳会議では、常任理事国入りを狙うナイジェリアのオバサンジョ大統領などがG4案との一本化を訴えましたが、北アフリカ諸国などが強硬に反対しました。

 G4案についてはフランス、英国などが支持を表明していますが、米、中両国はG4案、AU案を含めて現在提出されているすべての提案を拒否しています。


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