2005年8月6日(土)「しんぶん赤旗」

郵政法案 参院委可決

欠陥、問題点が噴出


 自民、公明の与党は五日、参院特別委員会で郵政民営化法案を強行可決しました。「(衆院)解散がいやなら賛成しろ」と居丈高な発言を繰り返す小泉首相のもとで、与党が行った暴挙です。参院の審議を通じて、郵政民営化の欠陥、問題点は続出、とうてい通すわけにはいかない、ぼろぼろ状態です。

■サービス低下は避けられず

 細田博之官房長官は五日午前の会見で、郵政民営化法案について、「首相、竹中(平蔵)担当相の答弁でいろいろ心配されたことはまったく問題ないとはっきりした」と発言。与党は同特別委の審議時間が七十二時間に及び、めどとしていた衆院の審議時間の七割を超えたことを、採決をおこなう根拠としてあげました。

 しかし、国会の審議が十分かどうかは、時間で計れるものではありません。

 自民党の市川一朗・特別委筆頭理事は五日の締めくくり総括質疑で、「民営化で懸念は消えない。サービスが無くなることを防ぐ決意を」と小泉首相に質問しました。細田長官の発言にもかかわらず、自民党の賛成派議員ですら質疑の終局にあたって、「懸念」を口にせざるをえないのです。

 (1)郵貯が民間銀行になり、簡保が民間生命保険会社になれば、過疎地だけでなく、地方、郊外の町など不採算の店舗は無くなる、(2)金融排除(低所得者や小額預金者が金融サービスを受けられなくなる状況)が深刻化する、(3)社会的弱者を、郵貯や簡保が持っている公的なセーフティーネットから排除する道を開く――等々。郵政民営化は、国民へのサービスを大後退させ、地域社会を破壊するとんでもない法案です。

■国民の支持は得られない

 いったい、小泉首相はなぜこんな郵政民営化にしがみつき、ごり押しするのか――。

 大門氏は五日の締めくくり総括質疑で「郵政民営化は国民の要望ではない。熱心に民営化を要求してきたのは日米の金融業界と米国政府だ」と追及。三百四十兆円の郵貯、簡保の資金を、日米の金融・保険業界のビジネスチャンスのために明け渡すという本質を浮かび上がらせました。

 郵政民営化は、いかに小泉首相が「改革の本丸」と力もうとも、国民の支持は得られませんでした。それどころか「国政の課題は郵政だけだと思っているのか」という政権批判が広がっています。

 (遠藤誠二)


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