2005年7月28日(木)「しんぶん赤旗」

「子ども兵士」禁止

実効的枠組みを創設

国連安保理が初決議


 【ワシントン=浜谷浩司】国連安全保障理事会は二十六日、世界の紛争地域で行われている子どもの兵士としての徴用を非難するとともに、違反者の処罰に向けた監視・報告体制を創設するための決議を全会一致で採択しました。

 安保理が紛争地域の子どもを実効的に保護する具体的な機構の創設で合意したのは初めて。子どもと武力紛争の問題を担当するオトゥンヌ国連事務総長特使は、同決議を「大きな転機」と評価、子どもの保護が「『実際に実行される時代』に入った」と述べました。

 監視・報告の対象となるのは、子どもの兵士としての徴用、子どもの殺傷、レイプなどの性的暴力、誘拐や強制移住、子どもに対する人道的接触の妨害、学校・病院への攻撃、人身売買、強制労働、あらゆる形態の奴隷状態など。政府、反政府勢力を問わず、あらゆる当事者による違反が対象とされます。

 安保理は報告に基づき違反者に対して、違反を終わらせるための期限を切った計画の提出と実行を義務づけます。なおも違反が続く場合には、個別決議による制裁の用意を表明しています。

 国連によれば、世界の紛争地域では過去十年間に二百万人の子どもが殺害され、六百万人が負傷しました。また、誘拐されるなどして兵士とされた子どもは、二十五万人以上にのぼるといいます。

 国連は十一の紛争地で政府、反政府勢力を含む五十四組織が子どもを兵士として徴用していると認定しています。

 国際人権団体ヒューマンライツ・ウォッチ(本部・ニューヨーク)は安保理決議を歓迎するとともに、関係する政府や武装勢力がただちに決議を受け入れるよう求めています。


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