2005年7月22日(金)「しんぶん赤旗」

主張

政党助成金

即刻廃止し政党活動の本道に


 自民党、民主党、公明党、社民党、自由連合の五党に、二十日、七十九億円の税金がばらまかれました。今年二回目の政党助成金交付です。今年の国立大学授業料値上げによる負担増が八十億円でした。

 政党助成金は、年間ではその四倍―約三百二十億円にもなります。国民に一人当たり二百五十円の負担をかぶせ、その税金を分け取りする。こんなことは、許せません。

 日本共産党は、有害無益な政党助成金制度を、断固拒否し、ただちに廃止するよう求めています。

■国民無視の官営政党

 小泉首相は、「官から民へ」と繰り返し、社会保障では、国民に「自立自助」を求めます。しかし、自民党だけで年間百五十四億円(〇五年分交付決定額)もの税金をもらい、〇三年実績では、政党助成金が本部収入の六割を占めます。「官営政党」と言われても仕方ありません。

 民主党も同様です。受け取る税金は年間百二十二億円(〇五年分交付決定額)。本部収入の八割強を助成金でまかなっています(〇三年)。

 政党助成金制度導入(一九九五年)以前は、各党とも、税金から助成金をもらうことなく運営していました。ところが、“民主主義のコスト”だと国民に負担を強いる仕組みをつくり、日本共産党以外の党は、それに寄りかかっています。

 しかし、どの党を支持するか、しないか、寄付を出すかどうかは、国民の思想・信条の自由の根幹にかかわる問題です。国民から強制的に徴収する税金から政党助成金を出す仕組みは、事実上の強制献金であり、憲法で保障された思想・信条の自由を侵害します。

 目先の党利党略で国民の基本的人権を踏みにじる態度は、政党としてあってはならないことです。

 また、党本部収入の大半を税金に頼る「官営」状況を異常と感じないとすれば、政党としての独立性を放棄しているようなものです。これでは、政党政治の土台が崩れます。

 「民主主義の国の政党が、活動資金を国家権力に依存することはあり得ないはずだし、あってはならない」「日本共産党は助成金も企業献金も受けず、党員のボランティア、党費、寄付金、出版物の販売収入等によって政党の運営を行っている。他の政党も、本気になればやれることを共産党は証明している」。こういう文章が、ビジネス誌『エルネオス』(〇四年十一月号)に掲載されています。

 政党は、国民の意思、要求を政治に反映させ、政策化し、実現をはかる役割を担っています。政党助成金を廃止して国民の生活に役立てる財源にすることを求める意見書が、地方議会で採択されています。国民の生活に目をむけ、政党政治の発展を願うなら、こういう声に真剣に耳を傾けるべきです。

■「政党の原点」の姿

 政治評論家の宮崎吉政さんは、都議選で「二大政党に対抗できる能力と資質を持った日本共産党が、四つの政党の一角で引き続き行動する基盤を獲得した」ことに着目しつつ「『政党助成金』を拒否し続けながら、街頭行動にまい進している。私はここに政党の原点である明治の自由民権運動の姿を重ね合わせています」と語っています(「しんぶん赤旗」日曜版十日付)。

 政党助成金の廃止は、政治を国民本位のものにするために不可欠の課題です。日本共産党は、それを正面から追求し、国民とのつながりを広めるなかで財政も確立するという、政党活動の本道を進んでいます。


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