2005年7月21日(木)「しんぶん赤旗」

「つくる会」教科書

教育長が独自購入否定

茨城・大洗町 「法に違反する」


 茨城県大洗町教育委員会の加藤一五(かずい)教育長は二十日、来春から町立中学校二校で使用する歴史教科書で産経新聞が「新しい歴史教科書をつくる会」の扶桑社版教科書を「町の予算で購入して使用する方針」と報じたことについて、「町教委ではそのような議論はしていないし、(独自購入は)教科書の無償配布を決めている特別措置法に違反する」とのべ、否定しました。

 「産経」十九日付によると、水戸市など十四市町村で構成する「第三採択地区協議会」で大洗町教委の加藤教育長、柵山美代子教育委員長が「つくる会」教科書の採択を主張したものの、八日の協議会は賛成多数で日本文教出版の教科書を採択。町教委は十二日、「協議会の採択には同意できない」として再協議を求める一方、協議会の再協議でも扶桑社に決まらない場合、「歴史だけでも国の教科書無償配布とは別に町予算に教科書購入費を計上するなどの措置を取り、あくまで扶桑社教科書の使用を目指す方針だ」としています。

 加藤教育長は「町教委としては扶桑社教科書がふさわしいという意見で、再協議を期待するが独自に購入して使用するなどについては議論していない。仮に今後、そうした意見が出ても私は同意しない」と語りました。

■独自購入やめよ党町議が要請

 来春から使用する町立中学校教科書の採択問題で日本共産党の菊地昇悦茨城県大洗町議は二十日、町教育委員会に侵略戦争を正当化する「新しい歴史教科書をつくる会」の扶桑社教科書を採択しないよう要請しました。

 扶桑社教科書を町の予算で独自に購入して使用するとの報道についても「異常でもあり、子どもたちの将来に重大な禍根を残す」として独自購入をしないよう強く求めました。応対した加藤一五(かずい)教育長は「意見として受けとめます」と答えました。


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