2005年7月16日(土)「しんぶん赤旗」

「つくる会」メンバー 数々の暴言

“批判の動きは北朝鮮の流れ”

男女平等への攻撃も


 全国各地で採択運動をおこなっている「新しい歴史教科書をつくる会」。侵略戦争を正当化する「靖国史観」推進派と深いつながりを持つ中心メンバーは、「つくる会」を批判する韓国の動きを「北(朝鮮)の流れだ」というなど事実無根の宣伝をおこなっています。


 歴史教科書の代表執筆者である「つくる会」の藤岡信勝・副会長は、四月に開いた同会のシンポジウムで、韓国の日本大使館前に来ている「元従軍慰安婦」について、「全部北朝鮮の工作員かその系統の人たちだ」という韓国の学者の話を紹介しながら、こう語りました。

 「その後の経過をみてみると、本当にそうだったのではないかと思える」

 「『つくる会』教科書つぶしも韓国の人がやっているようにみえるが、裏で手を引いているのはやはり北の流れだと私はとらえている」

 つまり、藤岡氏は「つくる会」教科書に反対する韓国の人びとは“北朝鮮の手先”だというのです。これでは、「つくる会」教科書採択に抗議する韓国政府も“北朝鮮の手先”になってしまいます。

■「集団自決強要」記述削除の運動も

 また、藤岡氏は、沖縄戦で住民らが集団的に死に追いこまれた「集団自決」についても、強要されたものではないと主張。「集団自決強要」の記述を削除する運動も呼びかけています。中学校教科書から「従軍慰安婦」の記述が消えたことを自分たちの運動の成果として誇り、「集団自決強要」も同じように消える日が「必ず来る」とのべています。(六月・自由主義史観研究会のシンポジウムで)

 「つくる会」は「ジェンダーフリー」(注、男女の社会的差別をなくすこと)や男女平等に対する攻撃も繰り返しています。

■少子化についての発言も極めて異常

 歴史教科書の執筆者である西尾幹二・名誉会長は、政府の方針である男女共同参画社会について「(ジェンダーフリーと)同じ内容だ。これからはジェンダーフリー攻撃をやめて男女共同参画攻撃に切りかえる」と公言。公民教科書の代表執筆者でもある八木秀次・会長にいたっては、国連の女子差別撤廃条約について「アメリカの左翼が…国連にはいって策動して条約をつくらせた」などとのべています。(いずれも一月のシンポジウムで)

 女子差別撤廃条約は一九八一年に発効し、現在の締約国は日本を含め百八十カ国に上り、国際的な常識になっています。日本では九九年に国会で「男女共同参画社会基本法」が全会一致で成立。男女平等の流れを敵視し、ジェンダーフリーや男女共同参画の促進を攻撃する両氏の発言は、こうした流れを真っ向から否定するものです。

 少子化についての発言も、きわめて異常なものです。

 西尾氏は前出のシンポジウムで死ぬ人が少なくなると「生まれる数が減るのが、生命の法則」だと決めつけ、「育児手当を増やすとか、母親の休暇を増やすとか、育児休暇を父親に与える」など「自らの生命を長くするという思想」にもとづいたやり方ではだめだと攻撃しました。親たちが切実に望んでいる育児支援を否定する考え方です。

 こうした人物が執筆、推進するのが「つくる会」の歴史・公民教科書です。


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