2005年7月13日(水)「しんぶん赤旗」
爆破の蛮行を告発
「虹の戦士」号事件20年
グリーンピースがアピール
【パリ=浅田信幸】フランスの南太平洋上での核実験に反対する国際環境保護団体グリーンピースの船「虹の戦士」号がニュージーランド沖でフランスの工作員によって爆破された事件から二十年。パリで十日、その記念集会が開かれ約五百人が平和のシンボルマークを人文字で描くパフォーマンスを演じ、蛮行を告発しました。
集会には「グリーンピース」「虹の戦士を沈めることはできない」と書かれた横断幕が掲げられました。参加者は二分間の黙とうの後、「虹の戦士」号の鐘を鳴らし、事件で亡くなったカメラマンを追悼、今後の活動の決意を固めました。
仏グリーンピースのユスタン事務局長は「核大国の兵器庫のものであれ、『虹の戦士』号に対するものであれ、ロンドンの地下鉄やバグダッドの路上でのものであれ、有益で容認できる爆弾などない」との声明を発表しました。
一方、十・十一日付の仏紙ルモンドは同国の対外安全保障総局(DGSE)の局長であったラコスト海軍大将の八六年四月八日付報告を公表。ラコスト氏はこの中で、当時のミッテラン大統領から「虹の戦士」号を「無力化する」ことへの口頭による承認を得たことを明らかにしており、権力犯罪に新たな関心を呼び起こしています。