2005年7月9日(土)「しんぶん赤旗」

「残留孤児」救済制度早く

党議員団に裁判原告代表要請


 中国「残留日本人孤児」国家賠償訴訟の原告代表と弁護団は八日、日本共産党国会議員団に大阪地裁の不当判決(六日)の内容を説明。立法府として救済制度の確立を早急に実現するように要請しました。

 日本共産党からは、小池晃、井上哲士、仁比聡平、小林みえこの各参院議員が出席しました。

 懇談では各原告が実情を切々と話しました。

 村松陽子さん(69)は敗戦の混乱の中で弟や兄を亡くし「二人の養父母に育てられ、養父母も亡くなり孤児院で過ごしました。愛情を受けたことがなく、愛という言葉を知りません」と体験を語り、「大阪地裁の判決は、私たちが受けた戦争の深刻な被害の違いを知らない」と涙で訴えました。

 伊藤順子さん(64)も二人の養父母に育てられた中国での苦難について語るとともに帰国後の国の冷たい仕打ちについて話しました。

 「中国では劇団のメークの仕事をしていましたが、帰国して言葉が分からずに美容師の資格を取ることができずキャリアを生かせません。掃除の仕事しかなく、帰国者の仲間では自分たちのことを『掃除軍団』といっています。普通の日本人として暮らしたい。団結してこれからもたたかう」

 小池議員は「判決は非常に残念です。しかし、判決でも皆さんの苦難は看過できないと言っているように国には解決する責任があります。厚生労働委員会に所属しており議員立法を作ることを含めて全力で頑張る」と決意をのべました。

 「祖国で人間らしく生きる権利を」と中国「残留日本人孤児」国家賠償訴訟をたたかっている原告と支援者たち約二百人は八日、東京・永田町の国会前で大阪地裁の不当判決(六日)の抗議と、国会の責任で救済制度の創設を求めて座り込みを行いました。

 激励にかけつけた日本共産党の吉川春子参院議員は「本当に不当な判決で怒りを感じます。この問題は何度も国会で追及してきましたが今後も政治の場で取り組んでいきます」と決意を述べました。

 子どもとともに座り込んだ中国「残留孤児」二世の浜田麗子さん(32)は「母は長崎県に住んでいます。肺がんを手術してたくさんの治療費がかかりました。生活保護では中国にいくこともできません。私は十三歳のときに帰国しましたが、言葉が分からずいじめられ、高校を卒業して看護師の資格を取り働いていますが大変です。兄や姉は仕事が見つかりません。(母は)好きで中国にいったわけではありません。十分な支援策をつくってほしい」と話していました。

 同訴訟弁護団全国連絡会は九、十の両日、すべての原告に判決について説明し、今後のたたかいの方針を決めます。


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