2005年7月8日(金)「しんぶん赤旗」
北京 抗日戦争記念館再オープン
開会式に市民・学生ら参加
戦争勝利60年記念で大型展示
【北京=菊池敏也】日本の中国への全面侵略戦争のきっかけとなった盧溝橋事件(一九三七年)六十八周年の七日、北京市郊外の盧溝橋近くにある「中国人民抗日戦争記念館」が改修を終え、再オープンしました。
この日、中国の抗日戦争および反ファシズム戦争の勝利六十年を記念し、「偉大な勝利」と題する大型展示が始まりました。同日午前、市民・学生・兵士などを代表して約二千人が参加し、開会式が行われました。
開会式では、中国共産党の劉雲山政治局委員・宣伝部長があいさつし、「中国人民の抗日戦争は世界の反ファシズム戦争の重要な構成部分で、反ファシズム戦争の勝利に巨大な貢献を行った」と強調しつつ、その勝利を「人民の勝利、平和の勝利、正義の勝利」とたたえました。
記念館では、新たに百四十一点の初公開の展示品が加えられました。日本の侵略戦争の事実とともに、中国人民の抗日戦争が反ファシズム戦争の一翼を担ったことに重点が置かれています。
日本軍の中国東北地方への侵略に反対した日中両共産党の共同声明(一九三一年九月十九日)も引き続き展示されています。
王新華館長は、大型展示の今日的な意義について、「抗日戦争で示された偉大な精神で、中国をさらに立派に建設するよう励ますことに目的がある」と語りました。また、日本の一部政治家や学者が中国の「反日教育」を非難していることについて、「根拠がない。展示を見てもらえれば、私たちの立場が理解できるはず」と言います。
中国では七日の盧溝橋事件に続き、八月十五日は第二次世界大戦終結、九月二日は日本の降伏文書調印、九月十八日は柳条湖事件と、歴史の節目となる記念日が続きます。九月三日には、中国人民抗日戦争・反ファシズム世界戦争勝利六十周年で国家レベルの記念行事を開きます。