2005年7月2日(土)「しんぶん赤旗」
中ロ首脳が米けん制
単独行動主義を批判
共同宣言 国連の役割強化主張
【モスクワ=田川実】ロシアのプーチン大統領と中国の胡錦濤国家主席は一日、モスクワのクレムリンで会談し、「二十一世紀の国際秩序に関する共同宣言」を発表しました。国際法に基づく公正で相互尊重の世界、国際問題の集団的解決と国連の役割強化を呼びかけ、焦点の国連改革はコンセンサス(全会一致)で行うよう主張しました。
会談冒頭で胡主席は、「宣言は、全世界で平和を守ろうとする両国の意思の反映」だと述べました。会談と宣言は、両者が参加するグレンイーグルズ・サミット(主要国首脳会議)を目前に、両国の結束を示し、ブッシュ米政権の単独行動主義をけん制するものとなりました。
宣言はまた、内政への干渉反対を確認するとともに、「社会発展モデルの外からの押しつけ」を拒否しました。先進国と後進国の経済格差の是正も主張しています。
首脳会談では、エネルギー分野を中心とした両国の経済協力のほか、中央アジアなどの地域情勢、テロとのたたかいについて意見交換。四―五日にカザフスタンで首脳会議が行われる上海協力機構(中ロ、中央アジアの四カ国)を通じての両国の協力も話し合ったもようです。
両氏は六月三十日夜、非公式会談をしました。胡主席は、両国が昨年十月に四十年来の国境問題を解決したことを指摘。「国際・地域問題での戦略的協力を強めたい」と語りました。
また台湾やロシアのチェチェンを念頭に、「両国は、国家主権と領土保全の問題で相互支持だ」とも述べました。両国は八月に中国の山東半島などで初の合同軍事演習も予定しています。