2005年6月26日(日)「しんぶん赤旗」

スペイン共産党大会開幕


 【マドリード=浅田信幸】スペイン共産党の第十七回大会が二十四日、マドリード市の施設を会場に三日間の日程で開幕しました。大会には約七百人の代議員と四十六党の外国来賓約六十人が出席。フルトス書記長が一時間半にわたって大会報告をしました。

 書記長は現在の国際情勢の特徴について、「歴史的に獲得された社会的諸権利を保障するすべての法律が経済成長と豊かさの拡大にとって障害」だとみる新自由主義が席巻し、「戦争が体制擁護の構造的手段」と位置づけられるようになっている点にあると指摘しました。

 同時に「社会フォーラム」の運動に代表される「社会的・文化的・政治的代案を構築する客観的必要性」を反映した「新しい運動と思想」も生まれていると述べました。

 特に欧州では、欧州連合(EU)憲法がフランスとオランダの国民投票で否決されたことで「新たな情勢が生まれた」とし、「福祉国家を切り下げ、不安定労働を増やし、公共の富とサービスを民営化する政策に対抗する社会的代案」が必要になっていると強調。欧州憲法については、各国民の参加を強める「欧州制憲議会」の設立を提唱しました。

 スペイン共産党は他の左翼政党とともに共闘組織、統一左翼(IU)を名乗って行動しています。IUは昨年三月、サパテロ社会労働党政権を誕生させた総選挙で、議席を九から五に半減させました。

 このことも踏まえて今大会では、党とIU、またナショナルセンターである労働者委員会と党との関係のあり方が大きなテーマとなっています。

 大会には日本共産党代表として浅田信幸「しんぶん赤旗」欧州総局長が出席しています。

日本共産党がメッセージ

 日本共産党中央委員会は、スペイン国民の生活と権利を擁護し、軍事同盟のない欧州を築くたたかいを進める上で大会が成功することを願うメッセージを送りました。メッセージは、イラク戦争の時に世界各地に広がった「国連憲章を守れ」という平和の流れをさらに発展させることで、二十一世紀を「大国による無法を抑え、国連憲章にもとづく平和の国際秩序を築く時代」にできると強調。世界平和と社会進歩の促進のために両党の協力と共同を発展させることを希望しています。


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