2005年6月25日(土)「しんぶん赤旗」

靖国神社が「アジア中の怒りの的」

米国最大の全国紙が見開き特集


 【ワシントン支局】米国最大の発行部数(二百三十万部)を擁する米唯一の全国紙USAトゥデー二十三日付は、第八、九面の見開き特集で、「東京の神社がアジア中の怒りの的」と題する記事を大きく掲載し、小泉首相の靖国参拝が日本に占領、じゅうりんされた諸国を怒らせ、日本外交の最大の問題になっていると指摘しました。

 東京発のポール・ワイズマン記者によるこの記事は、靖国神社の実態を紹介したなかで、過去の戦争を正しい戦争だったとする「靖国史観」に言及しています。靖国神社がそのウェブサイトで、真珠湾攻撃や中国、東南アジアへの侵略を「国の独立と平和を維持し、全アジアを繁栄させるために、避け得なかった戦争」と説明していることを紹介。「靖国神社は、悪びれることなく、十四人の戦犯を『連合軍のでっちあげ裁判で戦犯の汚名をきせられ』た殉難者だと描いている」と伝えました。

 同記事は、靖国神社が「アジアの最大の紛争地の一つ」だと切り出し、「過去の記憶が問題を起こしている」「数十年前に帝国日本軍に占領され、じゅうりんされた中国、韓国その他のアジア諸国は、小泉首相の挑戦的な靖国参拝が血塗られた過去へ反省を示すことを日本が拒否していることの象徴であるとみている」と指摘しました。またA級戦犯をひそかに合祀(ごうし)したことが、戦中の日本の残虐行為をもみ消そうとする教科書とあいまって、「アジア中の神経を逆なでしている」と指摘しました。

 記事はその一例として韓国の中央日報の報道を紹介。先の日韓首脳会談で盧武鉉韓国大統領が「あなたが靖国神社への参拝をどう説明しようとも、私と韓国国民は日本の過去を正当化するものと受けとめる」と、小泉首相を叱責(しっせき)したと伝えています。

 USAトゥデー紙は、アメリカだけでなくアジアからヨーロッパまで百カ国に読者を持っています。


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